雑工日記・前編
馬野ミキ

空腹にて地下五階で殺された-

通勤の電車で色白でお餅みたいな顔をした女子高生とよく同じになる

彼女は池袋まで眠っている



詰め所にて。

代わる代わる雑工の同僚たちが

俺の耳元で誰かの陰口をささやいて

ポケットに飴を入れていく

それらはメリーゴーラウンドのように回転している

あとの時間にはゴラクやYOUNGKINGを必死になって眺めてる

よだれをたらしている。

元ヤクザや特殊学級

感情が抑えられない奴ら

いやな感じだっだメリーゴーラウンド



足元はよいか?

安全帯はよいか?

今日も一日、安全作業でがんばろう!

オーー



ぐる ぐる ぐるぐる、廻っている

俺たちはラジオ体操を終えたあと

仮設エレベーターで順番待ちをしている

現場の花形である鳶が先頭に陣取る

左官と塗装工が後につく

設備関係はおっとりなので今回のエレベータはあきらめている

鉄筋屋には茨城から来てる16歳の女の子がいる

16歳なのにDカップあるといううわさだ

くだらない便所の落書き

土工はヘルメットを外してわかばを吸っている

JV社員は窓際で職長たちと話し込んでいるので何も気づかない

雑工は皆俯いていて俺はその輪の中心にいる



おすすめリンクとか完全無料とか全部うそ

仲間由紀恵とかauとかはみんなヤクザ

俺をgoogleの社長に就任させない限り、俺はお前らの罪をすべて暴く

貧乏人から権力者まで俺は差別しない

俺たちはくだらないエレベーターを待っている

機械の到来を心待ちにした、



自由詩 雑工日記・前編 Copyright 馬野ミキ 2007-01-24 02:20:14
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