新春(五)
信天翁

鉛いろの雲がやっと抜けてくれた

散策のモノトニーなプロムナードに
形ばかりの冬陽がむらがる

突然 あえぐようなヘリのうなり
(新春の初フライトか)

おもわず猫背を反らし首を上向ける
眼内レンズを労わるように

かくしてvividをなくした一日は
無聊のうちに消えて逝く

あゝ 若者との共有物が消失した
老骨の脆さと哀れさ

 







自由詩 新春(五) Copyright 信天翁 2007-01-23 16:14:33
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