70、コーヒー 【こーひー】
雨宮 之人
私は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう
砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められた私の宇宙は
溶かされる時を、ずっと待っていた
差し出された私の
揺れる琥珀色を銀色のスプーンですくって
映るあなたは、どんな顔をしてる?
私の宇宙はあなたを包んで
きっと どこかへ連れてゆく
名づけられた世界の片隅を 開かせてゆく
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