猫の一生
画竜点睛

猫が叫ぶ
真夜中 鬼が通る頃
赤いお月様見て叫ぶ

”明日は飯が食えるだろうか”

猫が呟く
真夜中 人が消える頃
青いお月様見て呟く

”今日は飯が食えたから
   とてもいい一日だった”

その日 その日が精一杯
彼は毎晩 お月様を眺める

猫が喜ぶ
真夜中 人も眠る頃
黄色いお月様見て踊る

”布団が手に入ったから
   とてもいい一日だった”

捨てられた布団の上で
猫は喜びダンスを披露する


猫が鳴いた
真夜中 鬼が通る前
白いお月様見て泣いた

”あの箱に轢かれたから
    今日は悪い一日だった”

赤い布団にその身を沈め
色の無い月を眺めてた

”久しぶりに物凄く眠いから”

彼はゆっくり目を閉じる


そうして彼は呟いた

”明日はいい日になるのだろうか”




自由詩 猫の一生 Copyright 画竜点睛 2007-01-20 13:45:55
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