窓からみる
あおば
窓
の
外
は
雪
が
降
っ
て
い
て
キタキツネの
ふわふわした
尾っぽのように
跳んでゆく白いキツネの
襟足のような北国の君の姿を
粉雪の舞い散る岡に探してる
ぼんやり窓の外を眺めている
天気予報ではこれから吹雪になると言う
学習塾の授業を終えてテレビを見ると
センター試験を終えた大学受験生
寒さと痛さを顔にも示さないで
黙々と歩いている
テレビ局のインタービューは
相も変わらず暢気なもので
舟宿の女将さんなら
口が裂けても言わないような
あけすけに昼の結果を問うている
窓から見る雪はちらちらと
あどけない様子をしながら
凍り付いた坂道を隠していく
堅く凍った道をぎしぎし言わせながら
受験生がものもいわずに通り過ぎていく
それが役目だと言うように踊りながら降り積もり
怠惰な大人達をテレビの前に釘付けにして
古くさい人形にしていく。
明日は晴れると好いな。