Car-Radio
北大路京介


ハンドルを握る君の横
喋らずに僕は目を瞑ってた

ラジオのボリュームを少しあげて
懐かしい歌に耳を傾けてた

きれいなメロディ 啜り泣くギター きっと君の知らない歌

あの子も好きだった この歌は色褪せていない
僕も好きだった この事実も 変わりはしない



信号が赤で停まったら
サイドブレーキひいて ふたり キスをした

あの子の顔を思い浮かべてた
荒れた唇に違和感はなかったかい

苺のキャンディ 傷のないミラー きっと君の知らない僕

カラダが離れると またクルマは進み始めた
流れていく景色 余計なこと 言わないでおこう


あの子も好きだった この歌は色褪せていない
僕も好きだった この事実に 気づかないほうがいい


自由詩 Car-Radio Copyright 北大路京介 2007-01-19 13:22:14
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