弔辞
北大路京介

死ぬときって
今までの人生を思い出すって言うじゃない
君が亡くなるときに
君と出会ってからの いろんなこと
どんどん頭の中に浮かんできたんだ

君が亡くなったとき
もう愛することは やめようと思った
それぐらい とても辛かったんだ
君と一緒に散歩した道を 通るたび
景色が滲んでしまうんだ

昨日 ふと 君の声が聞こえた気がしたんだ
「 またな 」って
その通りだって納得したよ
"あの世" や "天国" なんかは信じていなかったけれど
君が ひとあし先に "あの世"に行ったと思えば 僕の心も楽になる
だから "あの世"を信じてしまう

信じる者は救われるって きっと こういうことなんだろうな

誰だって結局死ぬんだから 僕も死ぬんだから


それに
"この世"の1年が "あの世"の1日だって聞くし
待っててくれよ 忘れるなよ 僕のこと

もし
僕が忘れかけたら また声かけてくれよ
だから
永遠の別れだとか思っちゃいけないんだよね

僕が死ぬとき
"あの世"に君が居ると思えば 安心して死ねる

たくさんの人に愛されて死んでいった君のように
僕も
たくさんの人に愛されて死にたい
僕がいるから 安心して死ねると思われるように

今は
君のように 僕も たくさんの人を愛そうと思うよ
やっぱり 愛するということは良いことだよね
愛さなきゃね

君の 抜け殻は 自然のサイクルで 水となり 土となり 空気になる
だから それを無理に残したりはしません

とりあえず
この世では なにかと世話になったな  ありがとう

それじゃあ 元気で・・・   またな



自由詩 弔辞 Copyright 北大路京介 2007-01-18 13:43:39
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