見上げて、ぽつり
AKiHiCo

諦めました
何かに期待するのは
自分を惨めにするだけだと
短い人生の中で気付いたのです

底と果ての境目がない街
見上げれば揺れる湾曲
僕の足許は危うくなるばかり

小さすぎるが故に
小さな傷が酷く痛むのです

ただ逃げているだけなのかも知れません
言い訳を並べているだけなのだと

判っていても僕は自分を
本棚のうちの1冊の小説の主人公
そう思い続けたままで

夢の中でずっと




自由詩 見上げて、ぽつり Copyright AKiHiCo 2007-01-17 20:28:59
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