チクタク
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君の頬つまみ
何度も確かめ
やっぱりやわらかいので
そのたび嬉しい
君は表情をかえないまま
暖かな部屋で、へたなギターを弾く
わたしはそれを聞かずに
時計の針の音を追う
君のいる日常が消費されていく

何が悲しいの
キスもセックスも
好きでしているはずなのに
どうして
泣きそうな顔になってしまうの
どうして
泣いているような声を出してしまうの

用心深いのはもうやめだ
泣くのは最後に大げさに
たった一度きりでいい

わたしもただのセイブツだった
君のかおりを食べて生きているのだ
たくましく






自由詩 チクタク Copyright ________ 2007-01-16 01:21:17
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