棄月雪下
彌月

月に侵食されて私たち

どこへ向かうというのか

森は遠く雪は深く

車道の雪は歩みを遅め

靴に沁み込む水が

僕を

惨めな気分にさせるんだ

凍りついた雪が

シャリシャリと音をたて

僕の背中の重みだけ

足が食い込んでゆく

ねぇ

少し歩いてくれないかな

そう言ってはみたものの

呼吸を止めた君は

じっと僕にもたれかかり

早く捨ててと

哂うんだ


自由詩 棄月雪下 Copyright 彌月 2007-01-15 10:19:21
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