眠ル三日月 泳グ魚
緋月 衣瑠香

宝石を散りばめたような闇
この世で一番大きい水溜り

そこには彼らがいることが
絶対であって
世界の暗黙の了解であった

でも
時にはその場から消えたい

訴えているのを
私は知っていた

だから
今日だけ私が許してあげる

さあ 眠りなさい
寝不足の三日月よ
波打つ海の内で

さあ 行きなさい
迷える魚よ
輝く宇宙の彼方へ

どうかその時が幸福であるように

願いながら


自由詩 眠ル三日月 泳グ魚 Copyright 緋月 衣瑠香 2007-01-13 20:25:26
notebook Home