知り合いの彼氏
チアーヌ

友達ってほどじゃない
それくらいの知り合いの
彼氏と知り合いになってしまった
彼女を知り合いだと
言いそびれた
ヤバイと思ったのは
見た目がタイプだったから
小柄な体のバンドマンで
ギターも弾くけど
シンセもいじれるから
すぐに仲良くなった

夏休みの終り頃
友達と遊びに行って
その友達が途中で帰った
一緒に帰ろうかと思ったけど
まだ早かったし
なんていうのは言い訳かな

はい
しちゃいました
だってタイプだったんだもの

好きとか愛してるっていうのはその先にあることで
最初は普通わからない
わたしはタイプかタイプじゃないかで決めるけど
タイプな人なんか実は滅多にいない

見た目がタイプで
話が合って
気が合って
だから
もう少しだけ強く
繋がってみたかった

落とし穴に嵌るまであと30秒
ってところで逃げようかと思ったけれど

その前に落ちたのは彼のほうでした
だからわたしも飛び降りました

這い上がれなくていいと思ったよ
でもそんなのはきっと
みんなが思うことだね

荷物は穴の外に置いておいたよ
わたしはずるいから
壊れないようにね


自由詩 知り合いの彼氏 Copyright チアーヌ 2007-01-13 15:10:56
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