肉じゃが
小原あき

合掌をしていただきます
生きるために
その命をいただきます
博愛主義でも
食べなければならないのです

わたしの肉じゃがは
一年前とはくらべものにならないくらいに
旨くなりました
それは、心の拠りどころのために
毎日毎日
湯気と愛情をかき回していましたから

少し甘めです
母は優しい人です
だから甘くなるのです
わたしも似ましたから
なんてくすぐったいのかな

少しジャガイモを潰して
人参を潰して
タマネギとお肉と糸こんにゃくは
キッチンバサミで切り刻んで
おばあちゃんにはそれが良い
入れ歯もろくに入れられないから

甘く
もっと、甘く

砂糖を多めに入れます
甘いのが好きなあの人
母のような味を出すために
この際
糖分のことは少し忘れて

くつくつくつくつ

ほわわと湯気が上がります
大好きなジャガイモの匂いに
わたしはしばし嬉しくなります
ただいま、はまだ聞こえないけれど

最後の仕上げに
わたしは祈ります
これで
明日も元気でいられるように



自由詩 肉じゃが Copyright 小原あき 2007-01-13 08:20:25縦
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