Ⅰ 自動筆記
soft_machine
別々のスピーカーから惑わしている。
ジャコとピアソラの軸がかみ合わぬ。
ヌードデッサンを始めた頃は。
眼球に松脂が染み込んだ。
シンバルを割れば帰結だろうか。
彩敷なるままに。
漆喰を塗り付ける。
脚立の不安定さにはっと身をあずけ。
煉瓦達を張りつける。そのやわらかな素焼きの手触りは括れのようだと女と声に出す。花と口にする。
脊振に寝返る、猿と印しする。
知るのは倍々ゲーム。指先で廃れゆく。細胞が二進法の果てに緩やかに加速する未来。そして今は過去に移行し続ける常態にふり返れば赤色偏光。渚の記憶。旅への希求。或いは、砂漠化。
生松原に至っては貝の殻を耳に押し当て青が記述してきた頁ひとつひとつの悲しみが、ただ幸いの為だけに朽ち。
どっかと据えたいーぜるの上、やはり不安な画布を埋めたラピスラズリを更に磨り潰し膠と結び離れ難くした。伸び続けるだけの定めよ。髭よ。洗面器から流されて辿り着いたのは誰の心か。宇宙船がマストを折ってブルースの心臓につき刺す虹の彩。伝承とされてきた夢の現実をただ描こうとする自動的なものとは。
細胞と言語の抗う姿。
夏の木漏れ日の幸いよ。
ただ震え、丸なるものに帰結する。