メロン議論カモン
ブルース瀬戸内

今年こそはっきりとさせておきましょう。
私はメロンに他ならないし、
詩はメロンパンに相違ないということを。
どこにそんな議論があったと思うあなたは
要注意です。
甘いメロンの香りに
忘却を余儀なくされている恐れがあります。

私は本当に、
今年こそはっきりとさせておきたいのです。
詩はメロンではありません。
私がメロンです。
つまり詩をつぶさに観察するならば
その姿は日記に何日も記録して
やっと分かるといった手合いのものではなく
即座にメロンパンであることが分かるはずです。

私は詩ではありません。
なにしろ私はパンではないし
ふっくらなんてまっぴらです。
私は断固堅いのです。

このことを
今年こそはっきりとさせておきましょう。
確かにメロンパンの香りは
メロンの再評価につながるかもしれません。
ただ藍は青より青いという話で落着させようとする、
「メロンパン=私」派の論法にはうんざりです。
メロンパンが私でどうするのでしょう。
私はメロンを騙る者ではなく、メロンそのものだし、
ハムを乗せることですべてを曖昧にする戦術は
あまりに浅はかです。

ともかく、
それ以上の展開のできぬメロンパンでは意味がありません。
つまり私がメロンでなければ、
メロンパンはその存在が風前の灯となってしまうのです。
何事も主従を誤れば本質を失います。

今年こそははっきりとさせておきましょう。
あなたのためにも私のためにも
詩のためにもメロンのためにも
もちろんメロンパンのためにも
甲乙つけがたいことに甲乙をつけるためにも
いざ。


自由詩 メロン議論カモン Copyright ブルース瀬戸内 2007-01-11 22:30:58
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