カーテン
六崎杏介

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 全ての光を呑み込み、その美しい味を咀嚼する
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 真っ黒の恍惚、ヴェルヴェットのジャケット
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 私は蒼褪めた皮膚を隠し、唇から不思議を零す
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 アルビノたる白いルビ溢るる指で、其れを掬う
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 盲目の山羊のウール、黒曜のボタンが目配せする
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 血管を循環する呪詛のカノン、爪先のリード
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 有機体として座席に質量を預ける、私は呪い
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 トロイの木馬に跨がったヴェルヴェット、恍惚
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 トロイの木馬に詰まった悪意滴る、城イ愛
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 気がつけば、もう真っ暗闇の各駅停車に満ちて。
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自由詩 カーテン Copyright 六崎杏介 2007-01-10 15:02:39
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