透ける
Rin.




二年前のあした
あの日もたしか、雪が舞っていました
鳴り止まない鈴のように
ただ、こんなふうに

降りはじめに気づいたのが どちらだったか
あなたはいまでも
覚えているでしょう
忘れたふりをした、あの日のように
今日雪が降ることを
わたしは なぜか知っていました

見上げた空に、いまだ
経験したことのない 模様
いまひとみをとらえた冷たい星
これがあなたの涙なら
どれほど幸せかと思いました

まっすぐに立って、天から視線を
そらさないで
きらきらと星屑をまとい
やがて透けていきそうな わたしを
あるひとが、凛として美しいと言いました
あなたもそうだったように、きっと
知らない
やさしさなんて凍えていて
はく息さえも透明になって
涙でもない星は
ただ味のないみずで
輝かす光は街灯でしかないこと

鳴り止まない雪
これがあなたの涙なら
どれほど幸せかと思いました










自由詩 透ける Copyright Rin. 2007-01-09 23:49:26
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