エデンの海
1486 106

ネイキッドビーチの坂を降りたら
一組の男女が全裸で歩いていた
それはアダムとイブのようで
神秘的な何かを感じた

嬉しいとか楽しいとか
満ち溢れていたはずの感情
知恵の林檎を食べる前までは
過去も未来も輝いていた

午後には観光客も集まり始め
恥ずかしくてボタンを外せなかった
服に身を包んだ自分の方が
浜辺では異端な存在だった

悲しいとか辛いとか
初めは無かったはずの感情
知恵の林檎を食べたおかげで
多くの事を知りすぎてしまった

エデンの東に暮らす人達は
毎日苦労して生きている
与えられた死へのカウントダウン
忘れてしまえば楽になれるかもしれない

だけど我々アダムとイブの子孫は
それで良かったと思っています


自由詩 エデンの海 Copyright 1486 106 2007-01-06 23:22:50
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