作者より:
読んでくださってありがとうございます。
足立らどみさん、コメントありがとうございます。
形式については散文として書く方法もあったかな、
と思います。
(詩の改行及び段落わけの意味はなにか、という問に
対して、詩っぽく見せるため、という絶望的に滑稽な
回答が頭をよぎりますが)
タイトルの付け方について述べるならば、小学生の時の
体験まて遡ります。
小学校4年生の国語の授業の時、担任の上田先生が
「みんな目をつぶって机に伏せて。これから先生が本を
読むので、その題名を当ててみてください」とおっしゃいました。
私は上田先生は贔屓をするのであまり好きではありませんでした。
とはいえ、私は寧ろ贔屓される側の児童であったため、偉そうな
ことは言えないのですが。
雨の降る日でした。目を瞑って机に伏せると時々窓をたたく雨音が
強くなったりもしましたが、上田先生の声は張りがあって良く通った
ので集中して話を聞くことができました。
先生が読まれた本は太平洋戦争中のお話でした。食糧事情が悪く
みんな満足にご飯が食べられない、そんな時代の小さな家族の話でした。
主人公は幼い女の子。ご飯が終わってもお腹がいっぱいにならないので
「もう一つだけ」と言ってお母さんにおねだりします。それがその子の
口癖のようになってしまいました。
やがて女の子のお父さんに召集令状が届き、お父さんは戦地に向けて駅から
列車に乗って出発します。見送りの時(ここはうろ覚えですが)、女の子は
(多分)食べ物をもらっていつものように「もう一つだけ」と言います。
お父さんはもう食べるものが無いことを女の子に言い含めると、側に
咲いていたコスモスを一輪摘んで女の子に渡す、そんなお話でした。
「これでお話は終わりです。この本の題名は何だと思いますか」
私は一番目に挙手して「一つだけの○○」(○○は主人公の女の子の名)と
答えました。
「ちょっと違うな。他にわかる人」次に、クラスで一番成績の良かった
Mさんが手を挙げました。成績の良いMさんに日頃から私は嫉妬の念を
持っていたので「はずれればいいのに」と思いました。
Mさんの答えは「一輪の花」でした。
「惜しいな、でも目の付け所はすごく良かった。正解は、一つの花、です」
上田先生は大層嬉しそうでした。私は恥ずかしくなって俯きました。
意気揚々と一番目に挙手して間違えていたことに。Mさんに対する嫉妬、その
醜さに。
俯きながら雨音ばかり聞いていました。他にすがるものがありませんでした。
冷たい雨の音でした。
タイトルの付けるにあたっては、今でもその影響があります。
何の裏打ちもないのに自信満々で目立ちたがり屋で、そのくせ、現実感がなく
いつもふわふわしている。そんな子供でした。ずっと、今でもそんな大人でした。
ユングの初(?)夢については、箱庭療法みたいなものなのかな。自分の深い所
までは梯子をおろせないので、目の前のアイテムを並べてみて、何が見えるか
とか。
長々とすいません。