温度 (旧作)/石村
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- アラガイs 

熱帯魚の水槽に指先を浸してみる。その生ぬるい感覚に流れを閉じ込めた罪の意識に僕は苛まれてしまう。ひろしま市内へ入っていくときも同じだ。ビルと人が中途半端にごちゃごちゃと入り混じり、100万都市と言われても日陰の風は溶けだした内蔵のかたまりを冷ましている
 アスファルトの上を歩いて行くと生乾きの汗が額に浮いてきた。上空から大きな眼がこちらを見下ろしてついてくる。憂いを帯びた慈しみの眼差し。ひろしま平和公園に至る大通り。堅固な橋を渡れば公園はビルの中に溶け込んだ人魚たち。もうあの街は再び廃虚と化してしまうまで乾ききることはないのだ。



---2023/09/29 00:55追記---
- るるりら 
ぬくい です。この詩。
 
作者より:
ご高覧くださりありがとうございます。
旧作のアーカイブ目的の投稿ですので、いただいたコメントへの応答は控えさせていただきます。
誠に勝手な申し分ですが、ご了承賜れば幸いに存じます。

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