作者より:
〜漁業の街
「数百の廻船入り江につどい、人家地をあらそいて、かまどの煙たちつづけたり」
と松尾芭蕉は「おくのほそ道」に
人家がひしめき出船入船でたいへんな賑わいであった
と石巻の情景を綴っております。
リアス式海岸の屈曲した海岸線には
波に洗われた岩礁が刃を連ねたようにそそり立つ
荒々しく躍動感に溢れた景色があります。
一方、深く入りくんだ湾は
静穏で心の安らぎをも感じさせてくれる。
岬、緑の小島、大波の寄せる岩礁など千変万化の情景をみせてくれます漁業の街
石巻。
米の積みだし港として
小舟が出入りする程度から
伊達政宗により千石船の往来する東北屈指の漁港町へと発展し
今ではわが国でも上位にかぞえられる水揚げ量をほこる大漁港となっておりました。
そして
人間の営みより
はるかに雄大な自然の営みがそこにあり
眠る生命力を・・・恵みを・・・
与えつづけてくれております。