作者より:
「ライムを切る」
青ざめた夜の色をした 橋の下
そう、確かにきみはそこにいた
ひどく体を震わせながらライムを切り分け
月あかりに照らされた小さな川のそばで
ほんの少しの間、
きみの体すべてがきらめいていた
そう、いまでもぼくは覚えている
蒸発したきみの言葉たちは
たぶん月に飛んでいってしまったんだ
そうだろ?
今夜 冬は夏に似ている
きみとぼくが走って走って走って走って……
ときどききみが橋の下で待っていて
輝く幸せな笑みをうかべて ぼくのためにライムを切り分けてくれた夏だ
---2013/11/16 10:42追記---