配慮/Lucy
夏美かをるさんのコメント
これは力作ですね!私は長い、などとは思わなかったです。どの連にも意味があり、否応もなく胸に突き刺さって来る切迫感がありました。都心でカルガモの親子が道路を横断する時には、警察までが登場し、交通整理をして保護するのに、北の大地では鹿の一頭や二頭が電車にはねられても、「異常がありませんでした」という落ち着き払ったアナウンスと共に運行を続ける列車、自分達が乗っている列車が時間通りに目的地までたどり着けば、それでよし!とぬくい車内で居眠りをして、それ以上の思考をシャットアウトする人間達。ラストのワイドショーのくだりは、痛烈なアイロニーでした。以前東京で電車を利用していた時、「人身事故が発生しました」というアナウンスが流れると同時にあちこちで耳にした舌うちの醜い音を思い出しました。人間のなんて傲慢なこと!
しかし、こんなすばらしい詩を書いた松岡さんのような人がいることが、救いなのです!