停泊する夏/前田ふむふむ
ブライアンさんのコメント
夏に、実家に帰ったとき、
祖母は顔を見て「どちらさまですか」となまった声で尋ねた。
玄関にまでたどり着かずに、拒まれる肉親は、
他人の肉を受けていたからなのかもしれない。

ここと、そこの区別すらつかずに、
何度も繰り返す日常が、時間の重力によって、
重みを持つ。

その境界線には、見えるとは思えない境界線があるのでしょうか。
わたしと父を隔てるものはなんなのでしょうか