パズルピース/りつハァモニィベルさんのコメント
かなり落ち着いた作風になりましたね。
完成している様に見えますが、さっと読んだだけで気になる点が多々あります。
例として、冒頭とラストの、二箇処に触れてみますね。
まず冒頭ですが、良さそうなのに惜しいなと感じるのは、
>ふと目が覚めた
と短文で終結させてますが、端的な様でいて逆に、小説のような冗長さで読者をウンザリさせます。冒頭からウンザリさせては損ですね。
実際に、冗長な連が展開して、
>寂しいが散らばっている
と、ようやく良い感じの一文に着地。この文が良いので、この冒頭の連が出来損なっているのが惜しいな、と感じられるのです。
書き直してしまうのは畏れ多いのですが、説明の都合ですのでご了承願います。
あくまでも私の感覚では、という説明にすぎませんが、ここは:
ふと目が覚めると、寂しいが散らばっていた
と一行で始める方が良かったですね。
そうすれば、その後に身辺雑記のような退屈な展開が続かなくて済みます。
ふと目が覚めると、寂しいが散らばっていた
崩れたパズルのかけらのように、小さな 寂しいたちが
あちこち山をなして
足下を埋め尽くすほど、散らばってる
それが、まず冒頭の話。
次に、ラストの処。
>流さない涙の味がした
最後がこう締めくくられていますが、
>「流さない涙」
というのが、読者には伝わりにくい未成熟な表現だと感じます。
そこに、真に作者の籠めたい思いがある、そういう箇所の筈ですが、
それが舌足らずで下手な表現では、芸術にもならないし、詩にもならない
ただの下書きだ、という気が(私には)します。
ここは:
《初めて流した涙の味がした》
のが良くありませんか? とかね。もっとも、そうすると
>「ほんのりしょっぱく」 というのが感性が紋切型すぎて違和感満載になりますが。
落ち着いた作風なので、一見、まとまっている作品のように見えますが、
まあ、そんなこんなが表現の所々で気になるので傷が散らばっています。
感性をもっと磨けば、傷が光にかわるんじゃないかな、と思います。
深い傷ほど、深い感性の輝きに変わるでしょう、心があればね。きっと。
以上です。