ゆるやかな生活/豊島ケイトウ
田代深子さんのコメント
いい角度で書けているとは思ったのですが、自分の現実の状況とけっこう通ずるところがあり、これが事実を書いているなら反感を感じちゃうし、創作なのだとしたら中途半端でげんなりだな、と思って保留。
夫も仕事も投げられません、自縄自縛な自分にもげんなり。

---2010/10/22 09:52追記---
特にわかっていただきたいのは、「創作ならば中途半端である」というところです。実体験でつらい状況ならば、書きたくない部分は避け、気持ちを整理し前向きにするためのナラティブ作業と認められます。が、創作であれば、その親類の方のためにも中途半端はよろしくないでしょう。「あなたの文章で気分を害したから謝ってください」と言いたいわけでは、ないのです。「ネタが注目されそうな文章」程度に終わらせず、がつっと書き込んではいかがでしょう。
若年性アルツハイマーの実態はきれい事ではすまないでしょうし(そもそも仕事を辞めなくてはならないほど病状が進行しているのに、放置して外出できる状況なのでしょうか?)、夫婦関係はもっときれい事ではない。「愛らしい子どものようになってしまった夫との隠遁生活」などというものではありえないはずですから。それらを書き込んだうえで、それでも共に生きている、生きていく、その明るさを書ききるのが、本来願われることではないのでしょうか。「生きることによる倦怠感」などと言っていられるほど、のんきな状況ではないと思うところですが。
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こうした、血の滲んでいるはずの現実の、ナラティブ化もあります。

---2010/10/22 11:15追記---
ちなみに、すみません、わたしの「現状」は夫のひきこもりでして、まぁこちらのほうがのんきではあります。それでも私のほうが精神的にマズイのではないか、と思うようなときもあります。

---2010/10/22 19:07追記---
きついところを避けているな、という感触が全体としてあります。それはほかの作品にも感じます。それでいてきつい題材を扱われる。ショートストーリーでなく、長編にもチャレンジされてはいかがでしょう。読ませていただきたいです。
(なんというか、出版社勤めとか不妊治療とか身に覚えがあることが多く、ぜひがつっと書いてほしいのです。)