黄色い太陽/高梁サトル
しろうさんのコメント
おうおう、名指しで来たのでコメントしなきゃね^^;

辛口コメントをご所望のようだが、僕は気に入ったものにしか辛口コメントをしない。


一連目、僕は荒唐無稽なナンセンスなら大好きだが、この三行はすごく上手い人には拾えるあやとりみたいで、あやとりの出来ない僕にはむしろ詰まらないね。
固有名詞に頼っちゃあかんっしょ。
サドくらいは知ってるけどね。

この詩の中で良いのは二連目の1・3行目の二つの行、
「僕は夕暮れの公園でスモッグ警報を聞きながら深呼吸する」
「指を噛む癖がやまないこと嘆くくらいの薄っぺらなオンナ」

スモッグ警報、懐かしいな。今警報を聞いたら確かに深呼吸でもしようというもの。
「薄っぺらなオンナ」の形容は秀逸。

最後は「僕」と「薄っぺらなオンナ」を俯瞰視点からのコメント「無粋よね」。
いやアンタの登場が無粋だよ、と僕は言いたい(笑)

全行の文字数揃えについては、僕は個人的に大好きだ。

---2010/04/17 20:45追記---

僕にとって難癖をつけることはその作品への愛に他ならないのですが、
むかーしここで誰彼構わず作品に難癖をつけていたら大変に煙たがられてしまい候。
それもそのはずで、よくよく相手の身になって考えてみれば、
知りもしない人から屈折した理解不能の愛を押しつけられたら、鬱陶しいことこの上ないですよね(笑)
なもんで今現在は、難癖はごくごく控えています。

ぼかー“書ける人”にはとことん厳しいです。
“書ける人”が小手先で書いてしまった作品は最もツマらない。(この作品がそうだとは言ってない)
そんなこんなで、
「アンタは書けるんだからよー、そのポテンシャルを遺憾なく発揮してもっとおもしれー作品書いたれや!」っつー期待を込めまくります。
高梁サトルさんは、僕が最も厳しい目で見ている人のひとりでございまするわよ。
なわけで、
もっとおもしれー作品書いたれやー

---2010/04/26 23:17追記---

再読。
前回のコメントは猛烈な読み違えをしていたことに気付く。
「僕」という主語だけで、語り手を「男」だと短絡思考する僕のこの脳ミソのシワの足りなさをまず否定したい。
昨今、オンナノコでも「僕」という一人称を使うのは広く認知されているにもかかわらず、だ。恥ずかしいね。

さて、前のコメントではタイトルについてはあえてスルーしたのだけれど(僕がコメント一番乗りだったからネタバラしを避けた)、「黄色い太陽」このタイトルからまず思い浮かぶのはカミュの「異邦人」であり、それを下敷きにしてようやくこの詩を読み解くことができる。

まぁ、細かい読解はここではあえてしないけれども、
対照的なオンナを並べてから、その不条理な二項対立に最終行、
「この格差どう埋めてくれようかなんて考えるだけ不粋よね」
という、裏返せば「不条理はそのまま受け入れるのが粋ってもんでしょうよ」との解を語り手が述べるわけだが、これがやっぱりしっくりこないな。
思考過程がないから単純に性急に過ぎるってのも理由のひとつだが、そのことよりも前のコメントに書いたように「アンタ」(作者)がご登場めされたような印象を受けるんだよねぇ。「おもわず思想をそのまま表明しちゃいました」っていうのは僕にとっては興ざめ。
ここは登場人物または背景の何らかのアクションでそれを暗喩して欲しいところだね。

※新しくアップされた画像がユージーン・ハッツですな!
この髭になら埋もれてみたいとオンナが夢見るのならさもありなん、と納得。

最後に、
辛口をご所望だったのでこういうコメントになったが、僕はこれをなかなか面白い作品だと思っている、ということを改めて付記しておく。