自殺志望の友達へ贈る詩/吉田ぐんじょう
とうどうせいらさんのコメント
この詩の根底にあるのは徹底した無力感なのかなと思う。
薄っぺらなチラシをのりで貼る、
それが大河の一滴ぐらいの役割暮らしか果たさないのはわかっているけど、
それでも声をあげずにいられない人の心を書いた詩なのかなと。

死を望む人を見守っていくことは、とても苦しいこと。
自分の無力とも対峙しなくてはいけないから。
でも怒って説教をして改心させるでもなく、
泣いて絶望するのでもなく、
知らんふりをするのでもなく、
死を望むその人同様に「わたし」も弱いにんげんですと、
目を背けずに告白している。

弱いにんげん同士だけれども「わたし」は「友達」の命を引き止める。
この詩には嘘がない。悲しいぐらいに現実的。

それを淡々と、そっと重さを感じさせないように書いてある。
声のない叫びのように。

シビアだけど重さを感じさせない書き方は、
筆者さんなりの工夫なのだと感じる。


どの人も自分ひとりを支えるのすらおぼつかない。
支える側も辛いのだと思う。
でも、この辛さから「2人で」這い上がりたいのだと思う。
そういう詩なのだと思って読みました。