51P 「短歌2」より〜 昭和五十年/むさこ
ブライアンさんのコメント
地元の景色が、驚くほど曖昧に、おそらく記憶を改ざんさせて蘇りました。そこで、姉のお下がりの赤い長靴をはいて、雪に埋まった川の前で、冷たい水の中に足を突っ込もうか迷っているのです。
それらの景色は、吹雪いていたのか、大気の水蒸気がきらめくほどに、晴れていたのか。どっちとも取れない記憶が、遠近感をなくした真っ白な故郷の景色と共に、目に浮かんできました。