あいまい【曖昧】(形動)
ディティールはベールに隠す、たしなみ
真実は自分でもわかっていないことが美徳
いま【今】(名)
常に最優先させる感情の所在
....
いつまでも
と誓いをたてるにはあまりに幼すぎたのだ
姉は朝食の後片付けをしながら
思い出し笑いをする
覚えてもいない妹は
今年初めて夏服に袖をとおした
吉岡君
電車の中で思わず声をかけそうになった
よく考えてみれば
こんな時間、こんな場所に
吉岡君がいるはずもないというのに
あの日と同じ顔
学生服のままで
そんな僕はまだ
....
いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ ....
私が人様にはじめて認められた文章は、詩ではなく評論であった。それは静岡県民文学祭で芸術祭賞を受賞した。今の私からみると暴論みたいなところもあるし、古くなっているところもあるし、そもそも「評論」と名乗っ ....
レノン…
海燕の好む空を
そして意気を知っていたね
見事な偶然だったよ
真昼の影にモノクロの
風 枯葉 無邪気の香りを漂わせ始めた時
俺はモーリスの弦を替えていた
5弦目とラジオが ....
友人の部屋の隅っこに
ネジが一本転がっているので。
「このネジ何?」
「どうやら俺のものらしい」
拾い上げて見ると確かに友人の名前が書いてある
「そりゃそうだろう、お前の部屋に落ちて ....
あなたの背中に吹いた風が
ここまで届くようにと窓を開ける
どこからか
たどたどしいリコーダーの音が聞こえる
この星はとても小さい
月曜の夜のことだ
遅番の妻を待って
一人で留守番をしている
俺の部屋のドアを
誰かがノックした
のぞき窓の向こうに立っているのは
刺繍と金モールもあでやかに
何を考えたものだか
バラの ....
古タオルに黒マジックで
ぞ う き ん と書いた
ぞ う き ん
なので反対側の端っこには
き り ん き ん と書いてみた
き り ん き ん
家人に見せると
きりんきん では ....
暑中お見舞い申し上げます
今年は母さんの新盆だから
せめて墓参りにくらいは帰ってきなさい
父より
追伸
そういえばクロがおとと ....
そうだな
たぶん俺は今この瞬間と同じような瞬間が永続的にそして連続的につながっていって
たぶん俺は今この瞬間と同じようなことばかりを惰性的に紡いでいくんだろうな
そして君も同じように今この瞬間を ....
ここは最高の場所だ
何せ居心地がいい
さぁ帰ろう
さぁ帰ろう
心配してくれたり
一緒に悲しんでくれたり
怒ったり怒られたり
時にはケンカして
で最後は笑うよう ....
私が小さな頃、ママが作ってくれたキャベツいっぱいのチキンヌードゥルスウプ。それは簡単なインスタントスウプでパッケージには英語でテイストグットって書いてあった。もう、ママもそのインスタントスウプも見当 ....
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