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風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら
遠い異国の丘 ....
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色
原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている
道東の海は冷たく ....
巨大な石版にきざまれた
柘榴石の星座がきしむ
西の方に5分ほど
かちりと音を立てて静止していた時が進む
一億光年の夜が流れ
廃棄物処理場に水たまりのような鏡
割れた月が赤々と燃えている ....
「もしもし、もしもし、神様ですか?」
祖父から譲り受けたアンティークの電話機で、佳子は今夜も何者かと会話している。その電話機は飾り物でコード゙は何処にも挿してない。まあ、神様の声を聞くのに電話線を ....
どこか遠くの知らない国で
雪がしんしん降っている
大きな街の片隅で
人と人が出会う
どこか遠くの知らない街で
風がヒューヒュー吹いている
大きな街の片隅で
男がひとり
生き ....