すべてのおすすめ
未だ硬い、既に確かな
夏でもない、秋でもない、果実で
深緑は
瀕死であることを理解している
見上げれば、ひとつの一秒が
高速で遠のいてゆく
わたしは、何に対しても連 ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....
五年前に自殺サイトの掲示板やチャットルームばかり見ていたぼくは
ぼくの瞳がそれを僕の世界にうつしたように
いまわたしは空気ばかりみつめる。
「PARTY」
真夏のALTA ....
朝からクワガタ
クワガタの話かよ
下あごの話かよ
さん、はいっ
「下あごの話かよー」
ご飯はゆっくりよく噛むこと
ほらあれだ利口になるから
両親は本日もご健在
飯をバクバク食う ....
あれはいつのことだったか、間違いなく浮いていて、空。に、月の代わりに。ぼくらの夜はつややかな緑に照らされ、建物には鮮やかな縞模様の影ができる。アスファルトから植物が生えているようだった。自分がやさし ....
パフェ、
パフェ、
パフェ、
10回言ったらパフェ10個
眩しい太陽
目を細める僕の顔前に
うふふ
エプロン娘
純白、
かついたづらな覗き見
こいつめ
....
水平線、午後
手延べそうめん、午後
台所の床、つめたーい
ひらべったーくなって
ほっぺーたをぺたぺた
ひーんやり
ヒヤシンス
春の花
もう夏ですが
横たおしの夏
....
ゴッコ
お互いの足首につけた
紐をひっぱり合う遊び
ゴッコ
慎重さが足りずに
森の中に迷いこむ遊び
ゴッコ
僕の欠落した部分を
君が木の根元に隠す遊 ....
母さん。
母さん。僕は今、とても複雑な心境です。
狐につままれたような気分です。
一体どういうことなのでしょう。
僕はまるで
自分の感情がわからなくなってしまった。
喜怒哀 ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
大事にしてたコップ割ったの
牛乳おいしかった
おおきくて
だから音楽大音量
かなしみ
でかい音
だだだだだ
過ぎるの待ってる
息づかい
S、S、S、
....
モラルを守るの、ラルモ
それは大切なこと大切なことよ
生きて再び歩いたりしてはだめ
火遊びもまた
街がひとつ陥落しているわ
ジス・イズ・ア・ペン
それは荒井注のギャグよ
スペ ....
もう いいかい。
もう いいよ。
草にまけるかと思った
あんまりにも長いあいだ かくれていたから
風が強く吹くたびに私の肌は傷ついた
動くことはできない
みつかってしま ....
帰り道に迷うのは
せめて僕のほうだったらいい
通りすがりで、そっと交わす言葉からは
いつだって真ん中のところが零れ落ちていく
駅の階段を
夏に降りていく
君は一つの呼吸で
手を振 ....
サワレナイという女の子がいました
何を贈られてもそれに触れないでかなしそうに笑うので
そう呼ばれていたのです
サワレナイはある朝、さみしい夢に目を覚ましました
そして、毎朝そうやって起きていた ....
お母さんミサイル (ミサイルをお母さんでくるんで軽く火を通したもの)
少女 (南から吹いてくる季節風のこと)
街 (顕微鏡に形が似ている)
青空 (比較的重量 ....
おばあさん たべねば だめだ
見舞いにきた人が
そう 励ましてから
おばあさんの 体調は悪化した
食べれねぐなったがら もうだめだ
と 急に思いつめたらしい
看護婦さんがみかね ....
焚き火の火を見つめながら
煙草を吸っているから
涙もくしゃみも煙のせいにできる
焚き付けの新聞紙にはテロのニュース
世の中のもめごとみんな燃やしてすっきり
なんてわけにはいかないけど
....
爆音で流れている音楽を
受け止めるこの耳で
俺はいつもあんたの与太話を聞いていたいと思って。
差別された人
このこう着状態をどう受け止めよう、
これってば妙に無防備、
先に言ったほ ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた
それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して
静寂、というには
まだわずかばかりの音 ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
知らない方角から
明るさを取り戻してゆくかのように
朝はぼくのもとにやってくるのでした
遠くの響きは
古い透き間から静かに流れ
ぼくを取り囲むのでした
後戻りする物音は見あたらないのでした ....
か
ん い
だ だ きしきしき
い ん し
か か
ん い ....
夜のアンモナイトは仄かに蒼く光る。
海の恋人を想い出し、蒼くさめざめと光る。
遙か遙か白亜の海の底、アンモナイトの恋人達は。
手をつなぎ、心をつなぎ、ちゅらと散歩。
....
甘栗むいちゃいました
三点倒立で甘栗むいちゃいました
航空ショーで甘栗むいちゃいました
筋肉ミュージカルで甘栗むいちゃいました
死海で浮かびながら甘栗むいちゃいました
女性専用車両で甘栗むい ....
髪の毛にエレベーターが刺さっている女の人と
危うくぶつかりそうになって
うっかり乗りそうになりましたが
それよりも階段の方が健康に良いので
大丈夫でした
自動販売機の前では
一匹の ....
’, ’, ’, ’,
’, ’, ’, ’
’, ’, ’, ....
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