すべてのおすすめ
一
夜の水平線が
両の腕をさしのべ
その手で満月を挟み
嘆く空から引き離し
海の底に沈めた
光が闇に溶けて
波の下に燃えつき
殺風景な夜空に
取り ....
石ころのように
蹴飛ばされた
君の命が
川の流れに
ぼしゃりと飛び込み
揺らめく水の底を
ゆっくりと転がって
手の届かない
透明な棺桶の奥から
空を見上げ ....
雲一つない青空に
紙飛行機が舞っている
一つや二つじゃない
それこそ無数に
たくさんの白い翼が
たくさんの願いをのせて
思い思いの方角へと
ゆっくり 漂う
涙を孕んだ雨 ....