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朝早くに
古臭い詩をわたしは書いた
潮水に濡れた岩間を縫って這うように歩く
数匹の蟹の節足のことなどを
カーテンのあちら側で降っている雨が
薄笑い ....
冷蔵庫の中で
鶏卵の形状はときに難解だ
それは石油や民主主義やマックブックが難解であるのと
何ら遜色ない次元での難解さ
女は夜、井戸で桶に水を汲み
....
きみがすき
まっすぐな線をひいてみても
やっぱりどこか曲がってんのさ
だらしなく
少し可愛らしく
想い寄せるときは
心をしんとしずかに……
....
朝がいそいでいる
子の笑う声のような
光たちを小脇に抱えて
ガラスの球は真ん中から
はっきりとふたつに割れた
きみが急に
うたうからだよ
ゆうべ見 ....
飽き飽きしちゃった
きみは空にならないペットボトル
きみは思いだせない夜の夢
鍵をあけて待っているから、
口車にのせてよ
だれも聞いたことのな ....
恋人とよんでもいいだろうか
きみのことを
この夏がおわるころには
はげしい雨がふる夜は
ビニール傘を用意するから
おなかが空いたらカップヌードル、 ....
かなしさは夜のなかにある。
体育の時間、ぼくはだれともペアをつくれ
ずに、みんなが踊るフォークダンスを眺めて
いた。それは濁った河を渡る水牛を眺めるの
....
まずしい日々をおくっている
ばらの花がいったい、
どんなところに咲くのかしらない
雨上がりの
気温がひくい朝
きみの手をつよくにぎる
教えて ....