仕事中ふと
椅子の数を数えてみたくなった
ずいぶん移動しているけれど
小さな店なのでそんなに難しくはないだろう
幼児用の椅子が足りなくなったり
学生がテーブルをまとめて島を作ったり
床のコ ....
テーブルに誰かの書いた物語がある
私はそれに何かを書き加えたいと思う

ペンを手にとり、紙に傾く

私と文字の間に誰がいるのか
さしすせそ

歯に沁みる朝

凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す

たちつてと

舌で弾けない昼

すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
空港に来たのは
会いたい人がいるから

友達は皆先に相手を見つけて
残されたのは私一人

私の目当ては人気者で
大勢のファンに囲まれていて
ふさわしくないと思ったから
声も掛けずにそ ....
顔の無い人形は
しばしば子どもの夢に出てくる
複雑な問題を出して
子どもたちを悩ませるらしい

最初は信じなかったけど
同じ夢を見た子が何人も出てきたので
夜遅くまで起きてい ....
中央の樹が鬼の顔に見えることで有名な雷雨公園

土砂降りの中 何十人もの人達が
傘も差さずに遊んでいる

僕は大きな滑り台の上で
いつまでも順番を待っていた

ふと手すりに電流が走り
 ....
温泉宿はがらんとしていた

白く濁った湯が注ぎ続ける

昼に聞いた滝の音

湯気の向こうに

千切った半紙のような月
もうどうせ間に合わないと知って

少年はランドセルを鳴らすのを止めた

土手に咲く花々の名を

どれひとつとして知らない

草笛はこんな風に鳴らせるけれども
うっすらと閉じた

まぶた(まつげ)から

真白き炎

ああ、彼女は

恋をしている
雨の街は花園

ダリア・ヒマワリ・バラ

小菊・紫陽花・朝顔

花たちは楽器でもある

雨の細い指がそれを{ルビ弾=はじ}くと
蜘蛛の編んだ細い網に雫

ひとつひとつに虹がかかり

その上を二人連れ立っていく

時には酔った蝶と芳しい花

時には奏でる風と歌う鳥
墺山 遂子さんのおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
椅子- mizunomadoka自由詩412-11-15
note- mizunomadoka自由詩212-8-2
寒波- nonya自由詩33*12-1-14
ただの夢- 1486 106自由詩211-10-4
顔の無い人形- 1486 106自由詩2*08-6-30
雷雨公園- 1486 106自由詩4*08-5-5
温泉宿- 曠野未詩・独白407-5-25
草笛- 曠野未詩・独白607-5-18
- 曠野未詩・独白206-12-26
- 曠野未詩・独白406-6-23
- 曠野未詩・独白3+06-6-17

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