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許されるならば
喜怒哀楽の頁にはさみこんだ
しおりをほどき
薔薇のトゲのように
愛は血まみれの行為であったと
旅立つひとに告げたい

愛は規範をもたない
むくんだ背すじに頬をあてて ....
蒲公英の繊毛には色がある
白色は視覚化されるが
赤、青、紫、橙は花の妖精しか見ることができない
その色によって着地点は既に決められている

人間の心も同様である
人間の妖精は太古に滅んだ
 ....
氷の橋、魂は密航する、銀竜草、傾いでいる秋の七草、光る星が何万年前の現象なら、光の中にある私の死体は、すでに、星々の冷めた遠景、氷の橋、猫の舌、竜舌蘭、傾いでいる冬の小路、太陽系を縦走する小惑星の発見 .... 数をかぞえて川まで来たよ
回転木馬は考える
きみはガリガリ苦しくて
きっと神さま軽蔑だ


かんざし付けた観光ガール
カード片手にガイドする
こちらにござるは金華山
来る日も来る日も ....
海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である

夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
未知へ
タクラマカン砂漠を越えて
間氷期のほそい水系が
稀有のしばりとなるあたり

雪豹の瞳 罅割れて凍る水晶体
天山山脈から崑崙山脈へと
迂回するいのちの循環 
毟り取られた緑の草原 ....
*エロス

熱い唇が夜に溶ける
重ねた皮膚は
殻のないぬめやかな二枚貝

弄ばれた魂が
半周遅れの月影に
しろい波濤を刻んでいる

脱ぎ捨てられた衣に
まだ残る体温が
生温い喘 ....
                
父、母からの生に自立して
もう己自身がひとつの風土だ
と書いた北の国の詩人がいた
東京育ちのわたしにとって
風土とはどのような意味をもつのだろう
解体され ....
水になってひそむ
死んだ者たちの{ルビ通=とお}ったこのほそい水系に
官能の色彩はすでにない
光りの粒子のように時は流れ
序章のように生誕の時は流れ
星が囲んだ戦場につめたい炎の舌がみえ ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
夏美かをるさんの白島真さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 白島真自由詩1820-9-12
ふわりの旅路- 白島真自由詩17*17-11-11
氷の橋- 白島真自由詩14*17-11-6
きっとカジュアル- 白島真自由詩14*17-10-2
海そして残照- 白島真自由詩16*17-9-19
水系- 白島真自由詩13*17-9-18
エロスと憧憬- 白島真自由詩10+*17-5-13
風土- 白島真自由詩12*17-4-14
くにの記憶- 白島真自由詩27*17-2-26
短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
天体とこころ_Ⅲ- 白島真自由詩21*16-11-8

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