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移動遊園地のメリーゴーラウンド
イルミネーションに 子供が歓声をあげる
いつまでも追いつかない 振り向いた笑顔
もどかしい楽しさを思い出す


丘の上の石段に座って 
町並みの彼方に ....
まるくなった猫の眼 チャイナドレスの黒い髪
いつものことのように 振舞う
カフェは満員だったけど 手を上げると
席を作ってくれる シェルブールから来たギャルソン


もう 彼の故郷に行 ....
火の山は
融けた岩と灰を降らせた
あたしのこころに壁を作った
驟雨の日 傘を置き忘れてきた


古びた駅舎のベンチにぶら下がって
薪ストーブの熱に 涙は乾いて小さな結晶に
誰かが  ....
泉の底は 緑の湖につながっている
透明な砂 さらさらと音をたてて
樹液の雫 ガラス細工のように
あたしの言葉は 沈黙 拒絶する

森や小川は
たくさんのことを囁きかけ
眉間のあたりが ....
元素は廻る
この星の総物質量は
減ることはあっても
増えることはないのだから

自然は元素を使って
様々なものを作り,壊して,また作る
海底に蠢く蟲や軟体動物
土中のバクテリア
 ....
静寂のクレーターの縁に座って
古いモノクロの写真を見ていた

塚山は緑に覆われて
そよ風は 海の方向から
茶色い戦いの記憶は 靄の彼方に
透けるシルクに描いた 絵物語

善悪の彼の ....
穏やかな気持ち
鏡のあちら側にいる 羊
軋む階段の踊り場から
見下ろしている 外は月夜

白いドレスの裾は ひらひらと
ドアの隙間から洩れる
蝋燭の揺らめきに合わせて

昼間の庭 ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている

静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
田舎の蔵にあった
あばらの浮いた患者の胸
愛想のない円空仏
薄明かりで見ると たじろぐ

大きな桃が
「どんぶらこ」と 流れてきたとき
あのおばあさんも使っていた
に 違いない
 ....
青空を集めている
あじさいのつぼみ
青いガラス瓶
明るい陽に揺れる

痩せ細った手で
筆の先から
搾り出したような 一枚の絵
淡い青のあじさい

木立に濾された光は
揺れる葉 ....
あたしはあれから
いくつかの夏を過ごして
青い海の白い波のきらめきに
あなたの面影を想った

あわただしい足音を残して
季節は通り過ぎていくけど
風にさりげなく流れる
あ ....
クリーム色の明るい部屋
お遊戯をしている
「すずめの学校」に合わせて
動きにくい手を叩く

楽しそうに,子供になって
先生の動作をまねる
だんだん
ほんとうに楽しくなってくる

 ....
ずっと夢みていたの
赤いバラのアーチの下で
いつかあなたと恋におちる
凛とした香りにそまって

あたしは目を閉じて
ふるえながら待つだろう
あなたのしなやかな指が
 ....
葉桜を揺らす風
自然に毛虫は落ちて
あたしの腕に赤い斑点を作る
毛虫は落ちる,自然に

薄暗い図書室の奥
自然科学の歴史書が
埃に埋もれて死にかけている

母の胎内であたしは
 ....
スーパーの棚で
一年中,姿を見かける
外は夏日だというのに
エアコンかけて,鶏の水炊き

あなたは嬉しそうに
年中売られているダイコンを
すりおろしている

あたしは,なんとなく ....
ソースが汚ならしく
白い皿に残っている
綺麗に盛り付けたけど
終わってみるとこんなもんだ

しゃしゃっと水で流して
網かごにセットする
ナイフもフォークもお箸も
「汚れ物」になって ....
疲れ果てて帰ると
男がにゃんにゃん擦り寄ってくる
うざー という顔をすると
男は しゅーん と窄まる

テーブルの上に包み紙
白い皿に茶色いパンのヘタ
とっておきだったのに
あたしのカ ....
「ああ,嫌だ」
彼女は台所の隅でぬか床を愛撫しながら言う
手を入れるたびに 「さくっ,さくっ」と音がする
重みに耐えかねた雪が どさっと落ちる
たまの大雪くらいで大騒ぎできるほど平和だ

 ....
硝子板の上の小さな池で
草履虫が草履虫を食べる

部屋には誰もいない
かすかに染み付いた酢酸臭がする
壁には飛び散った硝酸銀の痕跡
古代の半島を描いている

午前11時の憂鬱
あたし ....
あわただしくなった病室
「…清志郎さんと歌えるかいなあ」
その人はつぶやいた
酸素吸入マスクに遮られた声

古いフォークソングを教えてくれた
知らせたとき 穏やかに遠くを見た
あたし ....
ゆきうさぎ 跳ねた

あの子がいっしょうけんめい
まっかな実に負けない
まっかなほっぺで
冷たいおててをこすりこすり
夢中でつくったの

はやい夕暮れのうす闇に
ゆきうさぎ 跳ね ....
じいちゃんが逝った朝
病室にばあちゃんの姿がない
窓の外は風にあおられた雪

あたしは瞳孔を確認して
お決まりのせりふを吐く
息子の白髪頭が傾く

「独りになったら
都会に行かん ....
ビル風がないている
5階17号室の伝説
−入室した患者は寛解する−
突き刺さる2月の夕陽

あとどのくらい…?
18号室の質問に
科学者の仮面で答える
3ヶ月≦x≦6ヶ月

藁 ....
真夜中にピッチの着信音
どんな目覚ましよりも効果がある
気がつくと白衣を引っ掛け
廊下を小走りに駆けている

おとなしい茶色い目の
奥さんを思い浮かべる
父親に似て意志の強そうな
 ....
うつ病のひょっとこ
暗い目
マジ過ぎて笑える

面白い顔で
沈鬱な表情
文句なく笑える

「笑っちゃいけない」
お行儀いい人は言うけど
笑えちゃうんだからしかたない

偽善 ....
しあわせがサラサラと
指の間から
零れ落ちていく
静寂

音も立てないで
苦しみもしないで
描いた文様は
風に吹き消される

伝わらない思いを
伝えようとあがいた
その言葉 ....
つららが少しずつ短くなった
しずくがきらめいて揺れてる

あたしの頬に触れる指先は
ささくれだって冷たいけど
やわらかな子猫を抱くような
そんなしぐさから伝わってくる

手の冷たい人は ....
夏美かをるさんの藤原絵理子さんおすすめリスト(117)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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