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それは引っ越しが終わり、ようやく新しい家に慣れたころ
突然やってきた。
        
我が家でなくても、彼じゃなくてもよかったはずだ。
何度そう思ったことだろう。
この時ほど ....
「釣りに行かないか」

彼がそう言いだしたのはめずらしく彼女が午前中に起きだしソファで寝転びながら、
いそいそとインテリアと家具の本を広げた時だった。
彼女はマンション購入が決まっ ....
それは年明け早々のことだった。
このときほど彼と彼女に驚かされた事はない。

お正月も三が日が過ぎて、ようやくいつもの生活に戻り始めた日曜日。
彼女も仕事が休みで三人揃っての休 ....
その日は珍しく彼女の帰りが早かった。
「何食べたい?」
帰って真っ先に冷蔵庫を覗くなりそうわたしに問いかける。
           
頭をめぐらせ冷蔵庫にありそうな食材でなおかつ ....
もう冬休みに入り部活へ行く以外は毎日家にいる。
こうして彼女とふたりで休日を過ごすのは夏休みや冬休みの
彼女が休みの平日しかない。
          
「ねぇ、いい加減起きた ....
やわらかな陽の差す日曜日の午前中、
朝食の片づけをする私の背中に彼の静かな声がかかる。
         
「そろそろ買い物に行くか?」

彼女は今朝もぎりぎりまで寝ていて、慌て ....
「かあさん、コンビ二で『レシートいりますか?』って言われたら
なんて答える?」
 と中学生の娘が聞く。
「ふつーに『いりません』というかなあ」
 と私は答えた。

「えっそうなん。私はどう ....
「ねぇ、この本の表紙知らない?」
           
彼女は読み終えた本をわたしに見せる。
その顔にはどうしてないのかわからない、不思議でならないと
いった表情がありありと浮か ....
ご存知の方も多かろうが群青は泡沫恋歌さん主催の創作集団である。
メンバーは恋歌さんはじめ空の珊瑚さん木原東子さん為平澪さん十六夜KOKOさん等現フォの女流の粋を集めたまさに梁山泊である。
なかに映 ....
 感傷を嫌う人々がいる。
 感傷を蔑む人々がいる。

 僕も時に、そんな彼らの1人に加わる。
 感傷とは重力のようなものだ(また、お得意? の比喩から始めて恐縮ではありますが)。そこから跳躍し ....
先におことわりしておきますが、これは夢の話です。
夢に見た出来事なのに、本当にあったことのように胸に刺さって、忘れられないような夢を、時には見ることがあるでしょう。
特に寝覚めの一瞬前に見 ....
 鈴木さんと、大王さまはスロープに向かって、ゆっくりあるいて行った。そうして、青白い灯りのなかに立って、わたしに手をふってくれた。
 さようなら……。
 わたしもちいさく、手をふった。

 あ ....
寒いので今日は職場も窓を閉め切っていた。

すごく大きなハエが建物の中に入っていて、窓に向かってぶんぶんじたばた暴れ中なのをみつけた。
その真四角の窓は、太い木の枠に囲まれていて、上の部分の ....
【合唱コンクール】

 中一の娘が学校の合唱コンクールで、伴奏を引き受けてきた、と驚愕なことをいう。
 娘がピアノを習っていたのは小学校三年までで、どこをどうやったら、そういうことになるのか。
 ....
【つぶつぶとうがらし】

 このタイトルが、イコール「粒々辛苦」の振り仮名だと思う人がいたら、その人は私の同級生の○○くんかもしれない。

 そう、小学生(たぶん6年生くらい)の時、国語の書き ....
 東の空にいつの間にか、オレンジ色した淡い月がでていた。

「あ……、もう、こんな時間だから、お家に帰りましょうか。」
 やだっ、そんなの、ずるい!
「外山先生……、わたしどうしても、もういち ....
(わたしは猫になって、イチローに会いに行ったの)

 
 きょうの午後、鈴木さんに出会った公園にようやくたどり着いた。
 この公園のどこかに、イチローがいるはずだけれど、わたしの目に猫の影は映 ....
 わたしは二階の部屋にあがって、鈴木さんのガラス玉を手にとって、しばらくながめていた。どこかでみかけた夜店の、輪投げの景品みたいな、ただのガラス玉だった。
 だいじょうぶかなぁ、なんだかニセモノみた ....
 おかあさんが家に電話して、おばあちゃんが元気そうだったから、このまま買い物に行くことになった。動きはじめた車の窓ガラスをいっぱいにあけて、わたしは猫又木山文化会館の三階をみあげたの。
 あっ、だれ ....
 きょうは月よう日。絵本教室の日だった。
 夏休みも、もうすぐおわる。あんなにうるさく鳴いていた蝉も、けさはとても静かだった。おかあさんは朝からいそがしく洗濯していたから、わたしも手伝うことにした。 ....
 だれかが来たのかもしれない。わたしはイチローのあとを追いかけて、玄関のドアを開けてみたけれどだれもいなかった。イチローは玄関の前のしろい郵便ポストのうえに、すばやく飛び乗ると、ほそくて長いしっぽをま ....
夏美かをるさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(81)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
彼と彼女の中庭- 石田とわ散文(批評 ...3*13-4-17
彼と彼女とわたしの海- 石田とわ散文(批評 ...3*13-4-16
彼と彼女の買い物- 石田とわ散文(批評 ...3*13-4-15
彼と彼女とワインの夜- 石田とわ散文(批評 ...4*13-4-11
彼と彼女と綿ぼこり- 石田とわ散文(批評 ...6*13-4-9
彼とわたしとぶり大根- 石田とわ散文(批評 ...5*13-4-9
『あっ』というクッションに似たもの- そらの珊 ...散文(批評 ...713-4-8
彼と彼女の本棚- 石田とわ散文(批評 ...11*13-4-8
創作工房「群青」薄紅に染まりし夕暮れ・十六夜KOKO・帰って ...- 梅昆布茶散文(批評 ...11*13-3-26
詩と感傷について- まーつん散文(批評 ...9*13-2-10
ある夢のお話し(エッセイ)- Lucy散文(批評 ...6*13-1-26
あずきの恋人_(最終回)- たま散文(批評 ...13+*13-1-26
エッセイ__ハエを逃がしてやったこと- Lucy散文(批評 ...6*13-1-23
珊瑚の小径2(エッセイ)- そらの珊 ...散文(批評 ...9*13-1-22
珊瑚の小径(エッセイ)- そらの珊 ...散文(批評 ...9*13-1-20
あずきの恋人_(連載⑪)- たま散文(批評 ...14*13-1-20
あずきの恋人_(連載⑩)- たま散文(批評 ...12*13-1-14
あずきの恋人_(連載⑨)- たま散文(批評 ...13*13-1-10
あずきの恋人_(連載⑦)- たま散文(批評 ...13*13-1-3
あずきの恋人_(連載③)- たま散文(批評 ...11*12-12-18
あずきの恋人_(連載②)- たま散文(批評 ...11*12-12-16

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