知らなかったの
海がこんな色だなんて
こんな青と碧だなんて
いままでホントに知らなかった
だからあなたの言葉も
聞き逃してしまったの
もいちど言って?
すきって言って?
あたしをすきっ ....
僕が大事に守ってる
キレイな空間に
足跡とか傷をいっぱいつけて
きみは
泣いていた
両手を必死に差し出して
子供のように求め
ぼろぼろ崩れてゆくきみに
悲しくも ....
私小説というものがほぼ死に絶え、小説はエンタテイメントとして書かれ・読まれ・消費されるものになって久しい。それに対して、詩というものは、未だに“私詩”とでも呼ぶべきものが大半を占めているように思える。 ....
はっきりと見えない
セロハンのような
それ 一枚が
へだてている
ような
わたしたちは
角度によって
ときどき 見える
それ のせいで
近づけずにいた
沈黙に見とれてしまいそう ....
わけもなく
涙がでてきたんだよ、
って
さっき言ったけど
たぶん
うそ、で
たしかに
わけはあったんだ
ポケットの底
ひも靴の裏
そんな、とこに
たぶん
道ならば
す ....
ずっとそばにいるよ
と
耳たぶをふるわす
午後のビーチでは
ねそべる
しらないオンナノコと
たのしくおしゃべりしてた
ただ
それだけの
あなたがささやく
フロリダの夕べ
....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって
あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
あたしは愛でられるだけの花なんてまっぴらだけど、
あなたの花にぐらいなってあげればよかった。
匂やかな雨は上がった
あと少しもう少しだけそばにいよう
この恋は長雨だった
そしてまた、乾ききらないこの道を行く
またふたり同じ{ルビ所=とこ}へともどる雨
同じ海から
同じ空か ....
歩き出す 30分で寝るために回り続けた扇風機まで
売春で出会った君が好きだったロイズのチョコを噛んだりしてる
今一度死んでもいいというような気分で英語の授業を受ける
明日の朝、起きら ....
母方の祖母の雪江さんは
70歳くらいでガンで死んで
お通夜の次の日に突然生き返った
その時なぜか僕1人しかいなくて
雪江さんは自分の死化粧を見て
「えらい別嬪さんやなぁ」となぜか ....
「見くびらないで」
僕は一時
そう言う君に見とれてみた
だって強がりにしか見えなくて
そんなの可愛い過ぎだったから
湧き上がる感情を否定なんて出来ないっていう口癖
....
夜の手のひらに
背中を押されて
チラチラと散らばる
港の明かりを見下ろしに
いつもここへ来る
デパートの裏の階段にすわり
わたしたちは
寄り添ったり
ときどき 無口になったりし ....
君のおっきい手、好き
好きだった
好きだった君の
好きだったものたちは
またきっと
誰かが好きになる
でも、たぶん
私の好きが一番おっきかった
君のしらないこと ....
月になりたい
あの人の足元を照らす月に
風になりたい
あの人の肌をくすぐる風に
空になりたい
あの人が見上げる空に
道になりたい
あの人が歩き続ける道に
あおいみどりのなかに
まわる
スプリンクラー
目で見る
満ちゆく初夏のとき
日々は
やわらかに途切れていく
うたうように
そうして また
繋がるために
むすうのひまつが ....
時々 すごく不安になることがある
たとえば
あの花がこの強風で散ってしまわないだろうか
とか
それによってわたしの中の大切なものが壊れてしまわないだろうか
とか
一日の終わりに明日 ....