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空や大地や山河には
草木やからだやひかりには
水の記憶がやどるだろう
水は変化のたとえではない
水は異世界の存在をたとえている
変化もそう
異世界の存在をたとえ ....
偶然や必然のふりをして
なにかがぼくらを試している
みんな失いそうになるたび頑張っていた
だって世の中すべて
失いそうなものばかりだから
ひとは誰かのために梯子をのぼってゆく
そうでもしなければ生にしがみつけないのだ
移りゆく刹那を
永遠にすりかえる
そのような作業を
慈しみ歌にする
そうでもしなけれ ....
天高く馬肥ゆる秋の日
吹かれても踏まれても
見つけたひとを喜ばす
野に咲く花のような心
今日誕生せり誕生せり
じっとしているから澄んでいるような人生など望みはしない
揺らされてもなにされ ....
白い花が二輪
口をあけて
雛鳥のようだ
世界に命を震わせながら
何一つ邪なく生きている
あなたの掌に
載っている
その形が好き
なぜって僕の鍵穴だか ....
浮かぶ白い半月
黄昏れいろをふくんで
風たなびく青空
金木犀の香が懐かしい
バケツに水を注ぐ
その音がこの世を映している
秋の墓参り日和だ
浮かぶ白い ....
先が明るいから
感謝するような人生ではなく
感謝に満ちているから
先が明るいと思える人生がいい
そうしたら後悔や嫉妬や疑念
そんなものもなくなるのだろう
秋の光 ....