不文律さえ知らずに 飛び込んだ空は青い
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ
だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
....
空洞が鳴る
鏡の道を
空洞がゆく
光と遊び
冬を呑む子
鱗へ 水へ
蒼をこぼし
葉を追いながら
双子のけだもの
銀を知らず
冬を知らず
....
味覚のない くすんだ
アッシュ トレイ
干からびた ウォッシュ
レットの細波
ひっくり返った
ドトールの裏蓋から
一本の白煙が滴り
ドラム式洗浄機の
....
おはよう 校舎から放射状に伸びて校門を突き破って生えている杉の木と
レンガの上に一列になって羽を畳み損ねているてんとう虫が
機械化された栄子の胸を圧迫する様に私はただ積み重ねてきたレンガを一個一 ....
{引用=
最近のまぼろしって精巧だから、きっときみを欺きます。
友だちや恋人がある日突然、人造人間にされても気付かない。
体育終わって空見上げる女の子、おでこのナンバリングに汗が ....
宝石を口に含んで遊ぶ
あの娘が笑うたび
きれいな犬歯は怪しく光る
宇宙船の軌道のように正確な
ピンクの唇が生意気に
愛の歌なんぞうたっている
蝶々が飛んでいった
あの娘は鼻先で笑った
....
うしろの青銅人間。やわらかい喪服の沈香。崩落と流氷、ぬいだ後の膜、爪に凭れる泡と土もすみやかに認知している、間延び。靭帯。香は甘くなり照らす、廃棄物としての玉足の回路。事象が帽子を投げたところから針の ....
すごくあおく剥き取られていて
わたしがむかしみたまっすぐな、通路の、みどりなんかがとてもとても上手に洗脳されている
あつい
機能しない、おかしいねって
言ってわらうかのじょ
みていて ....
ワールズエンド
ミニチュアみたいなおうちで
かくばった窓
ふぞろいの靴
あつぬりの白でしあわせの膜をはって
めざめたばかりの女の子は
チェックのスカートに
ちりばめられた星屑 ....