気まぐれな風が 鏡の水面に木の実を落とす
広がる波紋は 臆病な栗鼠の目に少しの不安を
それでも 冬支度の手を 休めることなく
すぐに静まって 平穏になるとわかっているから
羊飼いの ....
┌(┌^o^)┐
国会中継を消して
ホモォの世界に逃げ込む
だってそこじゃ
口の悪い攻め(突っ込む方)と
残念なイケメン受け(突っ込まれる方)が
高校最後の夏を
リリカルにエンジ ....
すべての店が軒を下ろした
真夜中の薄明るい街路を
ゆっくりとした速度でぼくたちは歩いた
その夜は12月みたいに寒くて
耐えられなくなるたびに
自動販売機で温かい飲 ....
無差別殺人の
テロリストは怖い
部屋でゴロゴロして過ごす
無気力なゴロリストも怖い
お互い明日を信じないし
命を無駄にすることを恐れない
「いずれゴロゴ13と呼ばれるのだ」と
....
男前ではない
お徳があたりまえの
豆腐を作りたいんだ
臭いのではない
くださいと言われる
納豆を作りたいんだ
辛いのではない
だからいいと言われる
煎餅を作りたいんだ
マ ....
ドアの向こうで息を殺して
貴方が眠るのを待っている
洋服ダンスに潜む
黒いマントの貴公子
蒼い月の光に
薄目を開けて
耳を欹て寝息を偽装し
貴方は待つ
さあ飲みに来て
この ....
次元のない町を 不特定多数のキャベツが行き交う
少しずつフォントが違う それが個性だと思っている
のっぺりした集団が 通り過ぎたあとに
数え切れない#が散乱する 通路に階段に
....
わたしたち、ちいさな山のちいさなおうちで、朝食のお皿を並べて二枚、三枚、並べているうちに足りなくなって、並べても並べても足りなくなって、テーブル継ぎ足しても足りなくて壁つきやぶって外に伸ばして、それで ....
仮想現実の世界の中で
魔獣を狩り殺して皮と肉を剥ぎ
食品や衣類に加工したり
荒れ野に聖水を散布して
得意顔の君だけど
忘れないで現実の僕が
決して少なくはない額のお金を
現実の世界の君に ....
75歳以上の後期高齢者ばかりを
いっぱいに詰め込んだトレインハズカム
優先座席をめぐる争いが
いつどこで起こるのかなって
運転士の君がほくそ笑んでる
僕は巨大な一眼レフのカメラを構えて
マ ....
アラウンド
舞い散った桜の花びらは
行き交う人込みの足元に降り積もって
ぐちゃぐちゃに踏んづけられて
きっとその内忘れ去られるんだろう
いつかの四月に嘘をついた
大馬鹿者は無理だと笑わ ....
....
雨
粒一つ
おおきく口を開けて
飲み込もうとする男の子
ひっくりかえした傘に溜めた雨水
その傘うまいこと持ち上げて差してさ
バケツ ....
生きなくちゃ 生きなくちゃ
今日も生きなくちゃ
豪雨の後の水溜りに
スーパーカーが突っ込んで
泥水飛沫がかかっても
生きなくちゃ 生きなくちゃ
明日も生きなくちゃ
たとえ世界 ....
生後四ヶ月の娘を朝の5時からあずけれるような
保育所をさんざん探してさんざん電話をかけたあと
少し詩を読んだ
被爆者のケロイドを体に負うことが
物事を理解することではない
とりだ ....
主人が自分のブログに、私の乳がんの経過について載せたいと言ってきた時、
迷わず「いいよ。」と言ってはみたものの、私が載せて欲しくない事まで
載せられてしまい、その箇所は削除してもらったのが第一 ....
「手乗りの象って素敵だと思わない」
そう口についた妻を
3日前に殺した
その言葉はとても不謹慎で
気に食わなかったからだ
だってそうだろう?
手乗りの象なんて
どう考えたって普通 ....
いつもの窓からは
光が差している
塗装の剥げた電車が転げている
昼すぎに、森の気配は
いくつかの季節を巡る
まだ青い瞳で
私は階段を昇っていく
となりの部屋の人たちの
....
少女の耳は
たくさんのこころをきこうとして
とっても
おおきく
あたまから
ひらきました。
中心部は
とっても
あつかったです。
あついあつい熱をじゅうじゅう持って
みんな ....
会いたい人がいるはずなのに
会わなくても生きていけて
なんとなく煩わしさを感じてしまって
地方から東京に出てきて
祖母とも叔父とも疎遠になっている
わたしは健 ....
いちばん最初についた嘘は
「ぼくはぬすんでない」だった
そこから始まるドミノ倒し
躓きなんてそんなものだ
大きな嘘に小さな嘘
許される嘘と許されぬ嘘
嘘で生きている奴らと
嘘に生 ....
頭脳明晰な俺の妻
しかし俺の偏差値では
筆算がいまだにできない
妻はそんな俺に対し
まともな食事をさせず
手のひらいっぱいのいり大豆を
三日分の食事だといって
手渡してくるのだが
しか ....
....
一昔前ならそれは
半端なベテランの強がりで
一歩翻って反省すれば
がちゃがちゃ
ぶかぶか
若い人は若い人なりに
すげー面白い ....
悲しいけれど お別れなんだ
知らず揺れてる 窓際の薔薇
ソファーの上着 食べかけのパン
カレンダーには 明日の予定
途中で折れた 歪な線だ
僕から君に 最後の贈り物
残す 絵の中 ....
そのひとは俯くことをせず
まっすぐに前をみていた
履いているジーンズはうす汚れ
家路をいそぐ人々が乗る電車の中
ぽっかりとあいた空間
....
台風が来る 福島原発へ到達するのは明日の朝七時頃
タンク付近、排水溝の放射性物質の濃度が上昇
現在のYAHOOのトップでは
貯蔵タンクを囲むせき内にたまっていた水があふれ出たと発表
大気の拡散 ....
ばーばに手を引かれ
ゆるい坂道をてくてくいけば
「コカ・コーラ!」
わたしは畑に捨てられていた瓶を指さして叫ぶ
ママ、という言葉は知っていたけれど
ママ、と呼ぶ対象がいなかった
日 ....
その湿原の中に、彼の祖母が眠る家はあった。湿原には現在、百四十七年に一度の雨季が訪れており、雨水が五十センチほどの嵩まで溜まっていた。そのため彼は、服の裾をたくし上げて歩かねばならなかった。時刻は正 ....
酸欠状態で喘ぐ金魚が
水面を見上げる角度で仰いだ空は
怖いほど明るい色をしていた
アイスクリームよりも呆気なく
溶けて流れ出したフレーズを
おろおろと掬い上げようとしたら
それは舗 ....
1 2 3 4 5 6