すべてのおすすめ
おばあちゃんの猫はおばあちゃんの匂い 猫のおばあちゃんがいなくなっても
おぬし 忍びの末裔であるな 足音もたてずに猫が来る
どんなに寒い夜でも おまえだけは温かいゆたんぽ
ねずみがい ....
露天風呂に
注がれる湯を見ていた
細い竹筒を通って
それは 私のいる場所へと
落ちてくる
水面に触れるだけで
透明だった湯は
たちどころに白く濁る
真暗闇なのに
ほのかに明 ....
おしまいを
覚えさせたのは あたし
おしまいですか?
そんならしかたないですね、と
ちらり 上目づかいで見上げたって
もう おしまいだよ
これは
さいごのおしまい
おしまいがなかっ ....
想像してみて。
この柔らかな死体が
何を思って生きていたかを
たとえば
生きている理由とか
翼の意味を考えただろうか
空を飛ぶ機能が失われたそれは
時折はばたく真似事をするだけの
使い ....
みみたぶは
いつも冷えている
熱い鍋肌にうっかり触ってしまった
わたしの指を冷やすために
みみたぶは
きっと知っている
それがうっかりではなくて
わざと、であったかもしれないことを
知 ....
ケーキを焼いて
中学生の娘の誕生日を祝う
ろうそくの灯に照らされて
もうひとりの女の子が浮かび上がる
娘と同じ誕生日を持つ子
遠い国に拉致されて
連れ去られたまま
いまだ帰ってこられ ....
強風に この身のタガをはずされそうで夜の毛布を抱きしめている
蓋のないボンドはいつしか固まって自己完結を目指しています
貝ボタンはずせばそこはあの海で潮の香りが満ちて広がる
風見鶏 ....
記憶の糸をほどく
風景や音や肌触り
縫い合わされていた
いくつもの欠片が
ふたたび熱を取り戻して差し出される
思い出は語られたがっているのだろうか
子供の頃ひと夏を過ごした祖父母の家
....
わたしが
命をもらった日から
吸って吐いて
繰り返されてきた
呼吸の仕組み
その息は
かじかんだあなたの指を少し温め
その息は
幼子の風車を廻し
その息は
ケーキに灯されたろう ....
かーさん ももいろひよこ かってや
めっちゃ かわいーやんか
そらいろも いるんやで
にじいろも いるんやで
ハートマークも いるんやで
息も絶え絶えのひよこたち
鳴いてるんじゃない
....
底から
蒸発した
温かい水が
蓋裏で
冷たい水になる
ほんの少し
傾けただけで
それは
ふたたびのしずくとなって
ほとばしる
涙の成り立ちを
まぶたの裏で描きながら
わ ....
母の手作りする洋服は
大体において
あらかじめ寸法が大きかった
未来が足されていたから
子どもはすぐ大きくなっちゃうからって
それは言い訳というより
有無を言わせない印籠のように掲げられた ....
支柱にありがとう、と言った
夏のあいだじゅう
あなたが支えてくれたおかげで
私は安心して背を伸ばし
太陽に近づき
あおい葉を繁らせ
たくさんのこどもを生むことができた
赤い血がしたた ....
星のみえない夜にも
星は存在する
風にふれない丘にも
風は存在する
あなたが消えたあとにも
あなたは存在しつづける
両のてのひらを
まるくして合わせる
透明な卵だよ、ほら
わずかに赤を含んだ
初秋のねこじゃらしが
風にそよぐ
そよがれて
よみがえってくる
植物ではなくて
あいつらのしっぽだった記憶が
猫が
ねこじゃらしの横を
素通りできないわけは
....
餅つきに飽きて兎はナイターで月の氷を滑っています
煮詰まった砂糖が夜に冷えていきゆっくり月はべっこう飴に
おつきさま あなたの裏は永遠に知ることのない孤独でしょうか
月明かり 独り寝 ....
雨つぶと雨つぶは
出会っても うたわない
分身だったから
うたう必要がないから
うたわないけど
静かに溶けて
ひとつになれる
みずたまりは
世界で一番平和で小さな海になった
雨つ ....
メスザリガニが
身籠った
腹に何百もの卵を抱え
絶えずゆらゆらと揺らして
新鮮な酸素を送っている
まるで
大切なものをあやしているように
ハハザリガニが
出産した
小さな赤ちゃん ....
沖に出てあおむけに視るこんなにも空の広さがおしよせてくる
優しげな名前とは裏腹に盆過ぎて泳ぐ子 戒める海月
光る波ひとつふたつと三角の硝子の意志が増殖してく
足裏の次第に砂がさらわれ ....
日々の習慣こそ愛おしい
扉を開けてただいま、と言う
杖は手摺に立て掛ける
靴を脱いで右端に寄せる
一人前の惣菜を冷蔵庫に入れる
白い手拭いを
四つ折りにして
赤い糸で等間隔で縫う ....
いくぶん体温の高い
あなたを胸に抱けば
心の真ん中にある
バターが溶け出し
私は
ホットケーキになった
ふくらんで
ふくらんで
痛いほどふくらんで
あなたに与える
ちょっとのほ ....
とうめいの
とじひもが
ゆるむ
午睡から目覚めきれない
漠とした意識のなかで
たとえば
カムチャツカ半島からの
かえりみち
{引用=わたしはだれであったのでしょう}
とうめいの
....
ばーばに手を引かれ
ゆるい坂道をてくてくいけば
「コカ・コーラ!」
わたしは畑に捨てられていた瓶を指さして叫ぶ
ママ、という言葉は知っていたけれど
ママ、と呼ぶ対象がいなかった
日 ....
腕がある
脚がある
カラダがあって
心臓はこの辺だろうか
洗濯物を干しながら
幸福感に包まれる
よれてしまった襟だとか
落ちきれてない染みだとか
ゴムの伸びたパンツだとか
新品で ....
撹拌されて
まじりあう
フラスコの中の
時間が
わらわらと踊っている
次第に
重さを帯びた幸せは
底で沈殿する
浮かびあがる
透明な
うわずみ
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに
繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
連れてってというものたちは
刺をもつ
過ぎ行く時間のすそに
そっと
刺をさす
──エクサンチウム ストルマリウム
野山で遊んだ私たちは
君をくっつき虫と呼んで投げ合った
いつか ....
雨粒が個体のように転がって撥水製の傘の斜面を
雨の街そこが始発の駅ならば待っているのはみんな雨人
家がない ただそれだけで蔑まれ
ナメクジの這う赤いポストを
....
石田とわさんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(113)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
猫や_猫(自由律)
-
そらの珊 ...
短歌
15
13-11-11
白骨の湯
-
そらの珊 ...
自由詩
11
13-11-9
【おしまい】_詩人サークル「群青」10月の課題「無」から
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そらの珊 ...
自由詩
14*
13-11-2
鶏供養
-
そらの珊 ...
自由詩
24
13-10-29
みみたぶ
-
そらの珊 ...
自由詩
17
13-10-23
十月五日(土)天気_雨
-
そらの珊 ...
自由詩
15
13-10-19
風の街
-
そらの珊 ...
短歌
10
13-10-16
ありがとうの言葉とともに
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-16
ためいき
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-14
夜市
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
13-10-11
十月の扉
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-10-9
ぶかぶか【詩サークル「群青」九月のお題「音」から】
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-10-2
秋別れ
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
13-9-28
わたしが消えたあとにも
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-9-27
ねこをじゃらす
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-9-23
月の氷
-
そらの珊 ...
短歌
13
13-9-20
子守唄
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-8-31
水槽という宇宙の中で
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-28
夏の終わりに
-
そらの珊 ...
短歌
11*
13-8-19
運針/千人針
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-8-15
食べさせる
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-13
【とじひも】詩サークル「群青」八月のお題「漠」から
-
そらの珊 ...
自由詩
11*
13-8-10
もらい乳
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-6
【ベランダに吹く風】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-4
うわずみ
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-7-29
【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
20
13-7-21
すとろう
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
13-7-16
プラスチック哀歌
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
13-7-11
さみしんぼう
-
そらの珊 ...
自由詩
14
13-6-21
雨模様
-
そらの珊 ...
短歌
7*
13-6-15
1
2
3
4
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