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とかく、何も見えないほど濃ゆい霧が立ち込める花畑にて
あたしは、そこに老紳士が絶えず立っているのを知っていた
その老紳士は
タキシードにハットを目深にかぶり、白手袋をして真黒の漆光沢のある杖 ....
月を指差して とても綺麗な言葉を吐いた少女がいた
それはそれは綺麗なもので
真黒の風呂敷の中心に浮かぶ 銀にも負けぬ輝きだ
あたしは とてもとても聞き取ることに難儀し
とうには諦めてしまっ ....
ある夜 それはそれは窓の会話がひどくうるさい夜に
乱暴な風に乗り なにかが天井から落ちてきたようだった
パーンと心地の良い音を鳴らし 森丘の低い頂上にやってきた
あたりは靄がかかるように ....