すべてのおすすめ
てのひらからこぼれるままに
ことばを拾う
忘れていた物の色やかたち
あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く
なつかしい風景に返すためにあたためる
星々をめぐる
それは散在する島々のよう ....
ほっぺたのごはんつぶ見ながら唐揚げ食べている
雨のなか傘を差す
魚みたいな子供たち
誰一人笑わないから
かえって可笑しい見開かれた目
視界に言葉が散乱する
散乱した言葉たちが産卵する
そこから魚たちが生まれてきては
身体をくねら ....
壊れたケトル
錆びたグリル
去年の籾殻
湿った桜チップ
裏のデッキ
巻き煙草
広がったディスプレイ
句読点の代わりに打つm
死にたくなる街を歩く足に魚の目
わずかばかりの乗客を乗せた
昼下がりの鈍行列車の
窓を少しだけ開いてみると
六月の薫風がそっと忍びこんできて
僕の睫毛を醒ますのだった
この車両は最後尾なので
終着駅に到着する
....
小さいころ、春になると
ばあちゃんと手をつないで
つくしを摘みにいった
いつも風が強くて
河川敷にはいっぱい
つくしが伸びていた
シャツにてんとう虫をつけて
ビニール袋につくしとタンポポ ....
おじいちゃん
おじいちゃんって
いいにおい
仏壇仏具のにおいでしょ
蓮の花のにおいでしょ
元歌はよく分からないが
ほのぼのとした雰囲気は
伝わったと思う
自分の言葉や 生活が
薄っぺらく 感じてしまったり
誰かのココロがが ペラッペラと
透けて 見えたりした 瞬間は
頭の中で 和紙を 作る
昔ハマった「織り姫」おもちゃみた ....
眼鏡を外したら
綺麗ですね
そんなことも言えなくなってしまった自分は
なんて奥手なんだろうって思う
本を片隅に置いて
その子は
目をくりくりさせて
チラシを見ている
詩を読 ....
一発やらせてくれるなら
君に僕をやらせてあげるから
眠たい壁にかじりつこうぜ
サムターンの方法を教えてあげる
腐った牡蠣の燻製の仕方を教えてあげる
空が見える 糞女にまたふられた
....
ギャフンしか言ってない
あいしてる
あいしてる
はるかとおく
きみはいるんだ
だきしめたい
ほんきだよ
ちっさなもやのなかで
あいまいにふわふわとうごく
じぶんがこわいからえをかいた
まっくろなかたまりのえをかいた
にっこりわらってる
まっくろなからだに
ぴかぴかしためで
にっこりわらって ....
蝉の声がする
静寂の中
遠くに
蝉の声がする
頭の奥
他には何もない
ただ
ただ
蝉の声がする
僕はここだ
と言わんばかりの
切ない
蝉の声がする
近く来 ....
ある女の子がある森にお母さんとお父さんといっしょに住んでいました。
女の子のお父さんとお母さんは毎日ケンカしてばかりで女の子のことはちっとも気にかけませんでした。
「もうこんな家にはいたく ....
生きている時間を
三分の一以上使わないと
夢は叶わない
そうでないのに叶った場合は御用心
それ悪夢ですよ
並べてしまったらなくなってしまう
たいくつなゲームのことじゃない
愛のささやきでもない
そして、それをうまく動かす、ずるいことばでもない
なくなってしまったら
あなたにも分か ....
あれは白鳥座の頭あたりだろうか、と15才の若いアマガエルが夜空を指差さしました
30になるウシガエルの私には星なんてもう見えません
けれど
見えるものには見えるのでしょうか
王冠のように、それ ....
るりるりるりら るりるいら
はりはりはりら はりはいら
瑠璃色のグラスに 祖母が水を注いだ
古い民家のちゃぶ台で 縁側から射す光が
グラス越しに ゆるりゆらめいて
幼いわたしを 魅了した ....
手品披露のための合コンなのか
死にたい人に玉手箱
終着駅まで眠っていた
雪がこそこそ降っている
汚い水のなかに
ゲンゴロウは浮かんでいる
だが、その正確な形状を
ちっともしらない私だ
....
マイナス30度樅の木裂けます
わたしいぬになります
でんし透明になって天使
お ぶってわたしを
おなかすいているので蜜いりりんごたべさせてください
「太陽はまさか断行する ....
ビー玉を掬って
いくつか掬って
ポケットに閉まってみる。
ビー玉はすぐに
旅を始める。
地中へ潜ったり
宇宙を旅したり
ね。
でもさ。
行き着く先は
み ....
空気まで
飲み込んで
ゲップで
吐き気まで
覚えたで
イヌイットの喉歌で
http://www.youtube.com/watch?v=wEk5odW6KGY
歩いても
歩いても
前へ進んでいる気がしない
そんなあたしは
焦っている
焦っているから
後ろ向き
たぶん守りに入っている
なぜ
いつから
見失ったのか
今日 新しい ....
どこかの
寂れた海岸で
練炭を使って
死んだ人がいた
夜寝床について
一日を振り返る
ほとぼりを使って
その人を
火葬する
根を
泥土と
苔を使って ....
雪なんて当たり前だった幼い頃
道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ
一階はすべて雪の壁だったこと
なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで
物流の届かない ....
セックス好きかと聞かれて
まあ、好きは好きなんだけどねえ・・・
なんて点々つけちゃうのはね
やっぱりこの歳になると
あっちこっち痛かったりさ
ちょっと動いただけで
すんげえ疲れちゃったりす ....
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