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しをかけないということは
いいことなんだな

いそがしくて
じゅうじつしてるんだな

はちにおわれて
にげながら

ふとそんなことを
おもった 　
　
にわにさく
はなをみている

きょうもきれいに
さいていると
おもっている

はなも
わたしをみて
ひとがいきていると
おもっている

きょうもきれいに
いきてい　.... 　
　
掌に海がある
水平線のむこうから
海賊船がやってくる
わたしから大切な記憶を盗み
それで得た金で
毎晩酒を飲み騒いでるのだ
わたしは海に飛びこみたいけれど
この体から出ること　.... 　
おなじ水が
おなじ水のほうへ
ながれてゆくように
僕らは
さかなになりました

僕らはいつしか
濡れたからだで
水辺に立ち尽くしていました

はじめて会った
気がしませんで　.... 　
羽を跳ねる
パネルを器用にとじて
鳥は止む

空は青く
そのかなたに生えた
おなじ色だけのソーラーを
背中で掴もうとする

てのひらを合わせる
人と人にも似た
ぬくもりから　.... 　
自転車を漕いでる
全速力で
ふみきりまで
息子を荷台にのせて
遠くから汽笛の音が聞こえる
蒸気機関車だ！

夢をみていた
眠りにつくまで
ＳＬを夢みる
少年だったはずなのに
　.... 　
雑音が聞こえる
鞄の中から
聞こえる声を聞きながら
母は呆けた

雑音が聞こえなければ
昔のような
声で母は話した

鞄の中から
雑音が聞こえると
途端に母は
声を濁らせ　.... 　
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗　.... 　
野菜が野菜の味がしないし
なによりも
僕が僕の味がしないから
ごはんは船に乗った

旅に出るつもりではなく
綺麗な女の人に会うために
船は川でも海でもない
水があるところならどこ　.... 妻が増殖しているのを
街で見かけた
その数はおそらく
億単位だった

そしらぬ顔で
妻が帰ってきた
一人だった
いつも通り
二人で夕食を食べた
お母さんが本当は
恋愛結婚だっ　.... 「フラノ」というレストランで
イタリア料理を食べてから
私は回想バスに乗り
帰るべき家をさがす旅に出た

バスが「いのちの相談センター前」を通過するとき
入口に行列ができているのが見える
　.... 鍋のなかに
台風が生まれた
鍋のなかに
溺れてるひとがいた
お玉ですくうと
意識をとりもどし
あわてて帰って行った
料理ができあがる頃
あなたは帰ってきた
助けてくれて
ありがとう　.... 人違いをした
人違いしたのは
はじめてではなかった
はじめて人違いしたのは
デパートのおもちゃ売場で
母親とまちがえて
知らない女の人に
おもちゃをねだったときだった
知らない女の人は　....
石田 圭太さんの小川 葉さんおすすめリスト（13）
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
多忙- 小川 葉自由詩4*11-6-15
花- 小川 葉自由詩410-10-20
記憶の海- 小川 葉自由詩610-10-9
おなじ水のほうへ- 小川 葉自由詩1208-11-23
ソーラーパネル- 小川 葉自由詩9*08-10-11
臨時列車- 小川 葉自由詩1008-10-6
鞄- 小川 葉自由詩17+*08-9-29
僕らの休日- 小川 葉自由詩16*08-9-17
遡航- 小川 葉自由詩5*08-9-11
確率- 小川 葉自由詩4*08-1-12
回想バス- 小川 葉自由詩6*07-7-16
ヒグラシ- 小川 葉自由詩407-7-15
人違い- 小川 葉自由詩907-7-10
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