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 鮮やかな夕映えの中に立つと もう
 私は死を思い出すことが出来ない。
 いま目の前で繰り広げられている現象が強すぎて
 私の中に在る記憶という記憶は閉ざされる。

 沈黙の中で人が己の ....
よく晴れた朝のテラスで 鳥達のさえずりを聴く。
少ない睡眠でみる暗い夢が表の世界に放出される。
私は庭に咲く菜の花に囲まれて
今ここに在ること そのことに深く感謝する。

全ては思い過ご ....
都心の驟雨にアスファルトが匂い立つ。
ここの緑に匂いは無い。
私は長年連れ添った悪習と手を切ろうとするのだが、
そんな心意気も地を這う無数の影に踏みにじられてしまう。

 
人を旅へと誘う ....
朝の美しい光の中へ船出しようと窓際に帆船が停まっている。
今まさに新しい航海が始まるのだ。
周りを見渡すと思いも新たに船出しようとする人達のなんと多いことか。
口惜しいのは、この朝の光が決し ....
心の庭にヒヤシンスが咲き乱れている。
私は悲しみを言葉にする者。
拙い言葉で眼前のキャンバスを汚す事になろうとも、
現実を直視し、血のたぎりを一筆で描ききる。
昨日の悲しみが今日に及ばない ....
喜びはすぐ目の前に広がっているというのに、
いつもその手前で足を挫いている。
先を急ぐばかりに、目の前の数々の小石に躓き、
自ら輝きを彼方に遠ざけてしまう。

若気の至りなどという言葉は ....
奪われた事を知った夜は、窓辺に腰掛けて月を見ていた。
初めての恋で僕は嫉妬を覚えた。
奪っていったのは僕の親友だった。
よくある事だよ、と笑った月が恨めしかった。

何も知らなかったのは ....
水彩の草原に僕はひとり仰向けで、
空をゆく雲を見ている。
淡い太陽の光を縫うような、
ぼやける事のない雲の輪郭を僕は指でなぞった。

寂しくなんてなかった。
なんとなくの不安を誰かに知 ....
屋根裏の小部屋の窓から、表の世界を眺める。
そこには、競争があり、強奪があり、また征服があった。
人生の秘密は悉く暴露されていた。
私は頭では当然の事だと思いながらも、心は深く病んでいた。
静 ....
愛の迸る行為の後、裸のお前に女を見る時、
俺はいつも大きな母性を感じる。
自分が男でいる事の頼り無さを感じる。
これは悪しき習慣だ。

ベッドの中で体を摺り寄せる女のお前に
俺は対等な ....
銀河系のその果てに散っていった星々よ。
再生の時を待ち、いざ解放の雄叫びを上げ、玲瓏と生まれ出でよ。
絶望の闇を抜け、苦悩を苦悩と知りながら、
輪廻の法則に則って、高らかな歓喜の出生を奪え。 ....
さて、私はこの気持ちの良い夜を吸い込もう。
満天の星空もろともだ。
あなたも私も輝ける朝を待っている。
何をしようが何もしまいが朝は来るのだ。

 
私はしばしば夜の香気に身を委ねる事があ ....
深緑の忘却の中で私は啄木に深く共感する。
確実なものを求めていた私の何かが滝壺に飲み込まれてゆく。
逃げてゆくネズミの尻尾を追いかけるような真似はもうやめよう。
ただ素直に、誠実に生きよう。そし ....
表通りはこんなにも穏やかなのに
私の心は悲しみの連鎖に怯えている。
残された時の歩みの中で、
一体何が出来ると言うのだろう。

愛する木々のさざめき、予感の連続。
ひと月。永遠のひと月 ....
風の便りを聞いて私の心は再びこの村へ戻ってきた。
今日は良く風が見える。
微かな秋の名残は遥かに遠く、木々の下に集まった落葉の談話が心地良い。
こんなに風の見える日は、きっと私の村も雪化粧に ....
時空を超えてある街に出る。
星のない夜だったが、街中は人工色のネオンで煌びやかに輝いている。
立ち並ぶクラブの扉の向こう側から活気に満ちた音楽が流れてくる。
アルコール臭の漂う中、道端に散乱 ....
君の笑顔が僕を救ってくれる。
君の笑顔は僕を幸せにする。
君の笑顔につられて僕も笑顔になる。
今までは独りきりだったのに。

君は不思議な力を持っている。
君はありのままなのだろうけれ ....
朝の心地良い風が優しく吹き込んでくる窓辺にほんの少し黄ばんだキャンバスを置く。
そこに描かれた幾重にも塗りたくられた意識の高揚をじっと見つめる。
その高揚の中には、自信と自惚れ、嫉妬と蔑み、夢 ....
 冬枯れの樹の下でなぜ孤独を感じる必要があるのだろう。
 そんなことを自分に問うた事のある人が一体いくら在るのだろう。
 自分に課した約束を反故にした人は一体幾人いるのだろう。
 犯した罪の ....
 新たな年の目覚めと共に、大いなる父、
 日輪は、貧しき山麓の村を照らす。
 明けましておめでとう、という言の葉が
 人々の白い息に紛れて、辺り一面散り散りに輝いている。

 過ぎていっ ....
なぜだか私は卑怯者のように口を閉ざしてしまった。
まるで描写に値するものを失ってしまった画家のように。
よもや今に始まった訳でもあるまいに。
そう、私は穴蔵の鼠で人知れず格闘しているのだ。
 ....
群衆の中を往き交う海猫達の叫びはなおも遠く、
この胸の錆び付いた音叉には共鳴しない。
道端で音楽を奏でる者たちに、路地裏の住人は白けている。
彼は言う。ペインが足りないのだ、と。

人は ....
夢の中に突然現れた君は、まるで僕の古くからの親友のようだった。
君はピアノの前に座り、こんな曲が出来たんだ、と僕に教えてくれた。
僕は君の口ずさむその曲にいつしかハミングしていた。
それはな ....
散り敷かれた落葉に半ば埋もれかけている公園のベンチが私に語る。
この人間の抜け殻のような落葉達のお陰で私は寒さをしのげるのだ、と。
お前はお前のその心を寒さから守ってくれるものを持っているか、と。 ....
時空のゆらぎを感じて漂う心情。
ある時は旅情となり、またある時は慕情となる。
孤独に縁どられた私の過去の墓標の前には、
今はもう懐かしさを感じさせるものばかりが並んでいる。

私が嫉妬を ....
何でもなかった一日が、
特別な日になってから四年が経った。

 
君の笑顔は夏の向日葵よりも眩しくて、
卑屈だった僕の心を照らしてくれた。

僕の悲しみは悲しみでなくなり、
母なる大地 ....
昨日の囁きが今日の閃きに変わる時、
私らは燃え尽きる事のない一本の蝋燭のようだ。
揺らめきながら暗闇を照らし、
広がる領域の旅人となる。

思考の岩を砕き、思想の風になびかない心を持ち、 ....
緑の雪の降る街で、
幼い少女が夢を見る。
ガラスの靴が欲しいの、と
サンタクロースに願ってる。

外は明るいクリスマス。
少女はぱっと飛び起きて
大きな靴下覗き込む。

赤い袋に ....
海を見ていた。
赤い靴を履いた仏蘭西人形は何処へ行ってしまったのだろう。
微かに横浜の匂いのするあの応接間に
何か大事なものを落としてきてしまったような気がする。

それは心?愛?
自 ....
朝霧の中、銀色の竪琴を持つ者は歌うでしょう。
森の教会に昇りかけの太陽を見る者は、笑顔で挨拶を交わすでしょう。
今日という日の訪れに、新たな希望を見出す者は、
竪琴の伴奏に歌う野鳥の姿をも見 ....
ただのみきやさんのヒヤシンスさんおすすめリスト(312)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
核心- ヒヤシン ...自由詩9*14-6-7
純心- ヒヤシン ...自由詩18*14-5-15
都会- ヒヤシン ...自由詩8*14-5-14
旅立ちの朝- ヒヤシン ...自由詩10+*14-5-8
岩手の父に贈る詩- ヒヤシン ...自由詩11*14-5-1
自己嫌悪- ヒヤシン ...自由詩5*14-4-27
月の涙- ヒヤシン ...自由詩3*14-4-23
水彩画の少年- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-23
岐路- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-19
男の小さな見栄- ヒヤシン ...自由詩10*14-4-13
願い- ヒヤシン ...自由詩7*14-4-13
美朝- ヒヤシン ...自由詩5*14-3-29
廻る軌跡- ヒヤシン ...自由詩10*14-3-27
岩手の父へ- ヒヤシン ...自由詩11*14-3-24
故郷からの便り- ヒヤシン ...自由詩10*14-2-24
乾いた現実- ヒヤシン ...自由詩4*14-2-24
真夜中のラブレター- ヒヤシン ...自由詩5*14-2-16
朝のキャンバス- ヒヤシン ...自由詩9*14-2-11
樹下にて- ヒヤシン ...自由詩7*14-1-12
梅に想う〜新春に- ヒヤシン ...自由詩8*14-1-5
粉糞- ヒヤシン ...自由詩9*13-12-22
夜空- ヒヤシン ...自由詩9*13-12-14
真っ白な夢- ヒヤシン ...自由詩8*13-12-4
冬に立つ- ヒヤシン ...自由詩9*13-11-21
幸福のゆらぎ- ヒヤシン ...自由詩9*13-11-18
結婚記念日〜愛する妻へ贈る詩- ヒヤシン ...自由詩11*13-11-9
明日への媚薬- ヒヤシン ...自由詩4*13-11-9
グリーン・スノウ・タウン- ヒヤシン ...自由詩5*13-11-7
ひとりぼっち- ヒヤシン ...自由詩5*13-11-7
朝のひと時- ヒヤシン ...自由詩8*13-11-7

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