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枯れ井戸の底に蹲って
見上げている 星空
赤い色の流れ星が 切り裂く

家路を急ぐ 羊飼いの少年
今朝通った道は,塞がれている
黒々とした金属光沢の壁
青ざめた月の光ほど孤独

 ....
穏やかな気持ち
鏡のあちら側にいる 羊
軋む階段の踊り場から
見下ろしている 外は月夜

白いドレスの裾は ひらひらと
ドアの隙間から洩れる
蝋燭の揺らめきに合わせて

昼間の庭 ....
四角い瞳に映る 蛍の軌跡
沈潜した草の匂いに 雨の気配
黄緑の曲線が 野放図に交差する
笹の陰の暗闇で 羊は見ている

静かな黄泉の国で 横たわっているような
喧しい牧羊犬も ここには ....
田舎の蔵にあった
あばらの浮いた患者の胸
愛想のない円空仏
薄明かりで見ると たじろぐ

大きな桃が
「どんぶらこ」と 流れてきたとき
あのおばあさんも使っていた
に 違いない
 ....
きらり
光るトンボの羽根

希薄な虚空を回る
季節

変化するのは
太陽からの距離と角度だけ

無限に近いだ円運動
の (くりかえし)
…螺旋…うんざりする

たった一度 ....
クリーム色の明るい部屋
お遊戯をしている
「すずめの学校」に合わせて
動きにくい手を叩く

楽しそうに,子供になって
先生の動作をまねる
だんだん
ほんとうに楽しくなってくる

 ....
葉桜を揺らす風
自然に毛虫は落ちて
あたしの腕に赤い斑点を作る
毛虫は落ちる,自然に

薄暗い図書室の奥
自然科学の歴史書が
埃に埋もれて死にかけている

母の胎内であたしは
 ....
ソースが汚ならしく
白い皿に残っている
綺麗に盛り付けたけど
終わってみるとこんなもんだ

しゃしゃっと水で流して
網かごにセットする
ナイフもフォークもお箸も
「汚れ物」になって ....
お水を待ってるの
大きなトラックで
お水をくれるから
ずっと待ってるんだよ

水瓶はこわれちゃったし
鍋はぺちゃんこだから
こんなタライしかないの
ちゃんと持って帰れるか不安

 ....
子猫を拾った公園
子猫といっしょに
風を切って揺られた

おなかと片手にやわらかさ
ねむくなった子猫
あたしも目を閉じる

上がって下がって
上がりきって下がる瞬間に
子猫が爪 ....
エルニーニョで死んだ
イグアナの尾
きみは追いかける

ぼくは受け容れることができない

魚は
タンパク質と脂肪を
全世界に提供する

電流の仕事は熱するだけではないばずだ
 ....
崖から転げ落ちる
ペンギン
飛べないから
翼は広げたまま
水かきが空を切る

岩に頭をぶつけて
気が遠くなる
エメラルドの目に映る
真っ青な海
あと少し…

さっきまで
空を ....
シッポを切って逃げる
簡単…でも必死

自発的な変化
エントロピーは常に増大する
生き延びるのだから場合の数は増える…
当たり前のこと

こわい夢/現実から
すんでのところで逃げ出せ ....
告げ鳥が庭の木にとまった
今年は厳冬で数が少ない
近くの湖でエサをあげている団体が
心配しているとローカルニュースが伝えた

「大変な旅をして来るんだから
みんなで大切にしてあげましょう」 ....
冬の陽の
頼りなげなひと筋ふた筋
枯れ草に寝そべって
融け残る雪はナフタリン

女王蟻はせっせと
ナフタリンを袋に詰める
春に生まれてくる子へ
衣装箪笥の虫除けにする

見回せ ....
「ああ,嫌だ」
彼女は台所の隅でぬか床を愛撫しながら言う
手を入れるたびに 「さくっ,さくっ」と音がする
重みに耐えかねた雪が どさっと落ちる
たまの大雪くらいで大騒ぎできるほど平和だ

 ....
硝子板の上の小さな池で
草履虫が草履虫を食べる

部屋には誰もいない
かすかに染み付いた酢酸臭がする
壁には飛び散った硝酸銀の痕跡
古代の半島を描いている

午前11時の憂鬱
あたし ....
自分の骨を見た詩人がいた

群れると空気が支配する
集団の最大公約数は愚劣である
集団の最小公倍数はサロンである

詐術をかけて誑かすのは容易
いともたやすく右に倣い左に靡く
風にうね ....
はぐれた蟻はかわいい
バッタの死骸に群がった蟻は
 雑貨屋やすぃーつ店の
 おばさんの大群

それぞれに
 精巧なセンサが装備され
 超高速なCPUが制御している
夢見がちな戯言を ....
あわただしくなった病室
「…清志郎さんと歌えるかいなあ」
その人はつぶやいた
酸素吸入マスクに遮られた声

古いフォークソングを教えてくれた
知らせたとき 穏やかに遠くを見た
あたし ....
ゆきうさぎ 跳ねた

あの子がいっしょうけんめい
まっかな実に負けない
まっかなほっぺで
冷たいおててをこすりこすり
夢中でつくったの

はやい夕暮れのうす闇に
ゆきうさぎ 跳ね ....
じいちゃんが逝った朝
病室にばあちゃんの姿がない
窓の外は風にあおられた雪

あたしは瞳孔を確認して
お決まりのせりふを吐く
息子の白髪頭が傾く

「独りになったら
都会に行かん ....
静けさに目ざめた朝
千本格子に寄って眺める
まろくぼやけた夕べの足跡
やはらかに雪肌が吸ひ込む
とほい魚売りの声

せめておぼろな冬の陽が
見まがふばかりに華やぐやう
乾ひたくちび ....
真夜中にピッチの着信音
どんな目覚ましよりも効果がある
気がつくと白衣を引っ掛け
廊下を小走りに駆けている

おとなしい茶色い目の
奥さんを思い浮かべる
父親に似て意志の強そうな
 ....
七夕飾りを作った
網飾りと提灯をつけた
短冊を書いてヴェランダに飾った

あいにくのくもりぞら
空を見る気にもなれず
意味のないTVドラマを観た

ヴェランダで妙な物音がする
カ ....
しあわせがサラサラと
指の間から
零れ落ちていく
静寂

音も立てないで
苦しみもしないで
描いた文様は
風に吹き消される

伝わらない思いを
伝えようとあがいた
その言葉 ....
そんな厳粛なものではなかった
壮麗な教会のどこか枯れた香りではなく
天に召されようとする生身の横たわる部屋は
真冬でも蠅が飛び交いそうな腐臭に満ちていた

‘なにかがおかしい’と疑いながら
 ....
真っ白いノートに
青いインクでスラッと書きたい
なぐさめかもしれない
ラブレターかもしれない
高らかな決意かもしれない
それとも
別れのコトバ?

ノートの表紙は
いろんな色で彩って ....
追いかけた夢のかけらが
透明なみどりのガラス瓶のなかで
体を揺らせるたびに
きりんこりんと泣く

泣き声を聞きたくなくて
じっと身をひそめる
あかるい場所から目をそらせる
みじめな思い ....
ただのみきやさんの藤原絵理子さんおすすめリスト(89)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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長生き- 藤原絵理 ...自由詩5*14-5-20
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食洗機- 藤原絵理 ...自由詩12*14-5-7
シリアの水- 藤原絵理 ...自由詩10*14-4-14
ぶらんこ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-26
イグアナ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-24
ペンギン- 藤原絵理 ...自由詩214-3-15
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厳冬- 藤原絵理 ...自由詩3*14-3-1
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休日の仕事- 藤原絵理 ...自由詩3*14-2-9
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