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わたしの骨がぎくしゃくと、鳴る
肯定的な歌
1+1=人間じゃない
不恰好な日々のつまずき、こそ
しんしんと軋み泣く骨の{ルビ声音=こわね}、こそ
人間の調べ
すけるとんよ
ぎくし ....
包丁を、ざっくり押しこんで
西瓜を割る。
無数の黒い種達は
それぞれの姿勢で
つややかに埋まっている。
――どうせぺっぺと吐き棄てられて
土から芽を出すのでもなかろうに
....
霧雨の降るぼやけた朝の向こうから
「夢の国行き」と{ルビ記=しる}されたバスが近づいて来る
後部座席の曇りガラスを手で拭くと
数ヶ月前に世を去った
認知症のゑみこさんが住んでいた{ルビ空家 ....