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香気がどこからかぼくの指にしみこんできた
朝日はいつの間にか木陰を
ありありと作るくらいに大きく育って
父は病んだ体を褥に起こして
指先から瑞々しい桃の果汁を滴らせながら
桃の果肉を噛み砕い ....
藤の実が剣のようだ
ものすごい湿気とものすごい気温の中
藤棚の下で目を閉じて
何も見ない
藤の実が剣のようだ
おそらく
噴水の前を通り過ぎる自転車のベルも
風鈴のようだが
でもそれはも ....
その女の乳房は
四月の桜のように満開で
うすももいろの
空にも恥じない明るさである
肌色は世界に開き
柔らかな匂いで部屋は満たされる

私は小さな白磁の杯で
そうして
お前の笑顔を嗜 ....
フユナさんの黒田康之さんおすすめリスト(3)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初物の桃- 黒田康之自由詩705-7-23
公園の昼間にて- 黒田康之自由詩505-7-2
満開の乳房・輝ける美酒- 黒田康之自由詩305-6-28

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